「大企業に転職が決まりました。これで老後も安泰でしょうか?」企業年金の仕組みも
経団連は、2023年12月26日に冬のボーナスの平均支給額を公表しました。 その結果、従業員1人あたりの賞与は1万2234円増えて、4年ぶりに90万円台を超える結果となりました。 【退職金の一覧表】勤続年数ごとに、退職金の平均額を見る。2000万円を超えるのは33年以上に 給与や賞与が手厚いとされている大企業ですが、老後生活の下支えになる福利厚生の面も充実しています。 企業年金もその1つといえるでしょう。 大企業に勤められることになれば、将来や老後は安泰なのでしょうか。 今回は、企業年金の仕組みや大企業が導入している企業年金について解説します。 ※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
企業年金とは?
企業年金は、年金制度の「3階」にあたる部分です。 1階が基礎年金、2階が厚生年金となっていて、さらに企業独自が上乗せして従業員に対する退職後の資金形成をサポートしています。 企業年金には、以下の3つの年金に分かれています。 ・厚生年金基金 ・確定給付企業年金 ・企業型確定拠出年金 それぞれの制度について、確認しましょう。 ●厚生年金基金 厚生年金基金は、2階部分の厚生年金に上乗せして支給する企業年金です。 厚生年金の一部を国に代わって給付するほか、年金額を加算して支給する制度でした。 確定給付企業年金が新たに代わる企業年金の制度としてスタートしたため、1996年度末のピーク時から徐々に減少を続け、2014年度から新規設立は認められていません。 ●確定給付企業年金 確定給付企業年金は、事業主と労働者が合意のもと、退職後の年金給付額を設定して、必要な掛金を会社が負担する年金制度です。 確定給付企業年金には、「規約型」と「基金型」の2種類があります。 ・規約型:掛金を外部が管理・運用して給付を実施する方法 ・基金型:別法人の企業年金基金が年金資産を管理運用する方法 基金型を実施する場合は、加入者数が300人以上である必要があります。 従業員が受け取る年金額が約束されているので、運用額が給付予定額に満たない場合、会社が追加で負担しなければいけません。 ●企業型確定拠出年金 企業型確定拠出年金は、企業が掛金を従業員に拠出して、従業員が自ら資産を運用する年金制度です。 従業員は、それまでの運用実績に応じて積み立てた資産を退職金として受け取ります。 掛金は会社の規定によって決まっていて、役職の階級に応じて掛金の上限額が定められているケースが一般的です。