イチローが残した10の偉大なる記録
「6」 は「メジャー史上、ゴールドグラブ賞を最低10度勝ち取った選手数」だ。ロベルト・クレメンテとウィリー・メイズの2人が12回、ケン・グリフィーJr.、アンドリュー・ジョーンズ、アル・ケーラインの4人がイチローと並び10度受賞している。 「7」は「メジャー史上、3000本安打と500盗塁を達成した選手数」。イチローに加え、ルー・ブロック、タイ・カッブ、エディ・コリンズ、リッキー・ヘンダーソン、ポール・モリタ―、ホーナス・ワグナーの7人が偉業を達成している。また両リーグ最多安打が7回あり、これもタイ・カッブ、ピート・ローズに並ぶ最多記録。 また右翼手としてシーズン最多刺殺記録も7回。これもウォーリー・モーゼスの記録を65年ぶりに更新している。 「8」は「イチローが200安打と100得点以上を同時に達成したシーズン数」だ。イチローは2001年から10年連続で200本安打以上をマークしたが、2001年から2008年までの8年は同時に100得点以上も記録した。これは、ヤンキースのルー・ゲーリックに次ぐメジャー史上2人目の記録だったという。 「 9(9.2)」は「イチローが2004年に記録したチームへの貢献度を示す総合指標の一つとなるWARの数字」。30歳のシーズンで打率.372でタイトルを獲得し、打席数(704打席)、安打数(262本)、敬遠数(19回)、ライトでの刺殺数(372回)でリーグ首位でWAR指標は「9.2」となった。ちなみに平均的なレギュラー野手のWAR指標は「2.0」程度である。 「10」は、「イチローのゴールドグラブ賞の獲得数と連続球宴選出数」だ。イチローは2001年から10年連続で、オールスターに選ばれているが、これはケン・グリフィーJr.に並ぶチーム史上最長記録。2007年にランニング本塁打を含む3安打でMVPを受賞したことにも触れた。またフォーブス誌ではピックアップされなかったが、200本安打の連続シーズン記録も「10年連続」である。これはウィリー・キーラーの記録を108年ぶりに更新したメジャー記録でギネスに申請された。通算10度では、ピート・ローズに並ぶメジャートップの記録となっている。 イチローは引退会見で「野球は団体競技なんだけど個人競技だというのが野球のおもしろいところ。チームが勝てばそれでいいか、というと、全然、そうでもない。個人としても結果を残さないと生きていくことはできない。その厳しさが魅力」と、記録についての持論を語ったが、一方で「色々な記録に立ち向かってきたが、そういうものはたいしたことではない。自分にとって、それを目指してやってきたが、いずれそれは、後輩が先輩の記録を抜いていく。そのことにそれほど大きな意味はない。今日の瞬間を体験すると、それが小さく思える。10年間、200本(安打を)続けて、MVP、オールスター……小さなことに過ぎない」とも達観的な見地で記録についての考え方を振り返っている。