国外から批判の声も…イスラエル・ネタニヤフ政権の右傾化が止まらない「3つの要因」
アパルトヘイト状態の社会構造
西岸地区では、ほんのわずかな土地がパレスチナ人の自治に委ねられているだけで、大半の地域がイスラエルの支配下にある。つまり占領下にある。その占領下では、パレスチナ人の土地を奪ってユダヤ人の入植活動が行われている。ガザ地区は、イスラエルとエジプトによって封鎖が続いている。220万人のパレスチナ人を、ここまで追い詰める政策に対し、国連などを中心に非難の声が上がってきた。 聖地と呼ばれる土地にユダヤ人が特権階級として君臨し、二級市民としてイスラエル国籍を持つパレスチナ人がいる。さらにその下に占領下のパレスチナ人が生活している。そこでは、重大な人権の蹂躙が日常化している。どこかで見たような社会構造である。そう、かつて少数派の白人が多数派の有色人種を支配した、南アフリカの支配構造と類似している。南アフリカの人種隔離と差別の構造には、つまり人種隔離政策にはアパルトヘイトという名称がつけられていた。このまま占領を続ければ、イスラエルはアパルトヘイト国家としてやっていくことになる。 さらに関連記事【爆弾を身体に巻いて自爆…イスラエルと衝突つづくヒズボラはなぜ「強力な戦闘集団」になったのか】ではイスラエルが警戒を強める「ヒズボラ」誕生の背景について解説している。
高橋 和夫(国際政治学者・放送大学教授)