時代の変化映す貯金箱 マニア注目、1万点収蔵の博物館
戦後はマリリン・モンローやプロレスのヒーロー、漫画「おそ松くん」のイヤミのギャグ「シェー!」の形に子どもたちの間で伝説的な人気となった鉄腕アトムの貯金箱まで多彩。復興を経ながら経済成長を遂げた世相を反映して「三種の神器」といわれたテレビ、洗濯機、冷蔵庫や、東京タワーの貯金箱もありました。
「貯金箱は1つ2つ持っていてもそれだけのことだが、たくさん集めていくとさまざまな種類やその時々のテーマの変化から時代の移り変わりがはっきり見えてくる。それが魅力ですね」と西沢さん。だから収集が止まらなくなる。「奥が深いのですよ」。
入手した貯金箱情報をブログに掲載
西沢さんは自分のブログを毎日のように更新し、ネットで入手した珍しい貯金箱の情報などを掲載。この反響が大きく、「連日100数十人がブログにアクセスしている」とパソコンのブログ画面のカウンターの数字を示しました。 「ネットでは投機目的で珍しい貯金箱を売り買いしている向きもあるが、私はいっさい関心がない。むしろ誰も関心を持たない貯金箱で形が面白いものや時代を映しているものを買ったりしています。競争にならないからすぐ買えます」と笑います。
最近は子どもの小遣いやお年玉も1000円、1万円単位になり、コインを貯金することへの関心が薄れたのが気になる西沢さん。「貯金箱の新しい魅力を見つけていかないと」と話していました。
------------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説