桂きん枝が2019年「小文枝」襲名へ 師匠縁の地で発表
桂きん枝が2019年「小文枝」襲名へ 師匠縁の地で発表会見 撮影・編集:柳曽文隆 THEPAGE大阪
かつて人気を博したテレビ番組「プロポーズ大作戦」の愛のキューピット役などでも知られる落語家の桂きん枝が4日午前、2019年に上方落語の名跡である「桂小文枝」の襲名発表会見を行った。きん枝は師匠である五代目・桂文枝(三代目・桂小文枝)の名跡を継ぐことになり「先輩方に『きん枝くんなりの小文枝を作っていったらええねん』と言ってもらいました」「師匠、弟子一門が大事にしていた名跡を継ぐからには日々精進、努力を重ねていかなければならないと強く感じております」などと意気込みをみせた。
桂小文枝とは
きん枝が所属する吉本興業によると、桂小文枝は桂派と三友派に分かれて競い合うなど、隆盛をきわめた明治時代に、初代・小文枝は二代目・文枝のもとで桂派の後継者として名乗り、あこがれの名に育てあげたという。 二代目・小文枝は「三十石」を十八番に大正時代の落語人気を支えた。そして三代目はきん枝の師匠である小文枝(後の五代目・桂文枝)は戦後の上方落語低迷期を支え、上品ではんなりとした芸風で人気を博した。
師匠が気に入っていた名を襲名
4日午前、きん枝は大阪市中央区の浪速高津宮(高津神社)に姿を現した。この場所は、師匠が最後の一席「高津の富」をした場所で、記念碑も建立されており、きん枝の強い希望で会見場になったという。 会見には桂文枝、桂文珍、そして吉本興業の吉野伊佐男会長、大崎洋社長が出席。思い出話なども語りながらにぎやかな会見となった。 きん枝は会見の冒頭で「師匠もこの『小文枝』という名前に非常に愛着をお持ちで、常々、この名前はもうひとつ上があんねんけど、俺は小文枝のまま終わっていくと言うくらい気に入ってはりまして、この名前には艶があって愛嬌があって品があるみたいなことをおっしゃっておりました」と話した。 また「私もいろいろと悩んだんですけど、先輩に相談したら『きん枝くんなりの小文枝を作っていったらええねん』と言ってもらいました。そして師匠のご遺族の方、そして一門の皆様方の後押しもありました」などと述べた。
なぜ、きょうの発表に?
報道陣から「2019年に継がれて、なぜいま発表をするのか?」との問いに対しては「師匠の奥様が元気な自分にということ、今年は松喬(笑福亭三喬が秋に7代目笑福亭松喬を襲名)がございまして、来年は桂春団治(3代目の弟子の桂春之輔が2018年春に襲名)がございますんで、私としましては再来年の3月12日(師匠の命日)にひとつめの興行ができたらいいなと思っています」と話していた。