世帯年収1560万円の共働き夫婦は、9540万円の湾岸タワーマンションを買えるのか? その3・大学卒業時点で返済は実質的に終わり(中嶋よしふみ FP)
■私立中の進学で家計はどうなる?
中嶋:私立中への進学については、塾の費用と学費ですね。これはもうピンキリということになりますけど、例えば受験対策に小四から塾に通わせて年間50万、三年で150万、という事であればさきほどの10年後の金融資産から150万を差し引けば良いだけです。 実際に私立中学に通う場合ですが、目安としては学費で年間100万の上乗せです。もっと高いところも安い所もありますけどさすがに通わせたい中学はまだ決まっていないと思いますので。固定金利の収支で考えると、+223.6万から100万円減らして+123.6万になります。 夫:それくらいは見ておかないと、という感じですよね。
中嶋:私立中の次の変化は購入から13年後、お子さまが16歳で高校生になる頃ですね。このタイミングで住宅ローン減税が終わるのでバッファーに載せていた+42万が消えます。 ーーこの夫婦の場合、住宅ローン減税の終わるタイミングと子どもの高校進学のタイミングがおおむね重なる。 東京都の高校生は来年度から学費が実質無償化される方針だ。無償化と言われているが完全無料ではなく、高所得者にも年間47.5万円が補助される予定となっている。これは同時期に終わってしまう住宅ローン減税の42万とほぼ同じだ。 そこで私立高校の学費が私立中と同じく年100万円かかるとやや多めに想定しても、減税額が消えた分は補助金で穴埋め出来る。したがって中学時代と同じく、高校に通う時期も家計の収支は+120万円くらいを維持出来ると想定して問題無いだろう。 高校卒業時点のバランスシートも作成した。購入から10年後の金融資産は4750万円と試算したが、中学・高校と収支は年間で+120万と仮定、企業型DCは夫婦で年間+42万、6年間で972万円が上乗せされる。結果として金融資産は5564万円となる。住宅価格は10年で1000万円下落させたが、同じ状況が続くと仮定して1年あたり100万円、6年で600万円引き下げた。 妻:ニュースで無償化は知ってましたけど、シミュレーションに組み込むとこんな感じになるんですね。金銭的にかなり助かります。
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