名古屋と3日間の代表合宿で広がった、甲斐稜人の『景色』と『思考』。「見えている世界観が、狭いものだったと思い知らされた」【フットサル日本代表】
12月12日、フットサル日本代表は12月14日と17日に開催されるアルゼンチン代表との国際親善試合に向け、高円宮記念JFA夢フィールドにてトレーニングを行った。 9月に行われた国内合宿で1年8カ月ぶりに代表活動に参加し、今回木暮ジャパン始動後、初めての国際親善試合のメンバーに選出された甲斐稜人。昨年12月にペスカドーラ町田から名古屋オーシャンズへの移籍を決断し早くも1年が過ぎ、出場機会に恵まれない期間を乗り越え、そのプレーはたくましさを増している。 トレーニング後、甲斐に話を聞いた。
考えながらプレーすることを意識
──今回のアルゼンチン代表戦に向けたメンバーに選ばれてどんな気持ちですか? まずは選ばれてうれしいです。この前の(9月末に)若手の合宿で3日間やらせてもらって、そこで代表のやり方、戦術などをいろいろと取り込んでいく流れでした。ただその3日間は僕自身、簡単に言うと、うまくいかなかった。 新しい情報ややり方を自分の中に入れていく過程で、処理しきれなかった。自分のプレーをできないまま3日間が終わってしまいました。今回の合宿に呼ばれて、オーシャンズで呼ばれている選手も多いので、金澤空にやり方を事前に聞いて予習をして(笑)臨んだ感じです。 ──若手主体の合宿を終えて、その後の2カ月の期間で、甲斐選手のプレーがかなり進化した印象でした。パフォーマンスがすごく高かった。そこはなにかきっかけがあったのでしょうか? コンディション自体は今年の4月の始動から、自分が取り組んでいるトレーニングなどがようやく形になってきたかなと。プレー面については、あの3日間で自分の現状の“見えている世界観”とか感覚が、めちゃくちゃ狭いものだったと思い知らされました。それは僕にとっていいきっかけだったと思います。 まだまだ僕が見えている世界は狭いですし、もっとできることを増やさないといけない。そこは少しずつ、あの合宿が終わってから練習の中で意識して、自分のストロングポイントだけではなく、できていないことにもより取り組んでいくきっかけになりました。正直、それを試合で出せているかというとまだ全然、出せていないと思います。 ただ練習で少しずつ、見えている景色が変わるタイミングは増えてきた感じです。 ──景色が変わる。ピッチの外から見ている人にとってはとうてい見えない世界だと思うのですが、その“景色”ってなんですか? 僕は、どちらかというと考えてやるタイプではなく感覚でプレーするタイプです。僕もどの景色がって言うと難しいですけど、意図をもったプレーというか。そこにパスを出した意味はなんなのかとか、そこにサポートに行った意味はなんなのかとか。そういった、考えながらプレーする、僕の苦手な部分をやっていかないとな、と(苦笑)。 ──意図がつながると、4人で景色を見られる感覚でしょうか。名古屋でも、イメージを共有していると感じるプレーはすごく多いですが、ズレるとノイズのようにもなってしまう。そんな感覚ですか? 意図を合わせるにはいろんな方法はあると思います。コミュニケーションを取ったり、一緒に出ているセットで他の3人のストロングポイントでも変わってきます。代表でのやり方、名古屋でのやり方もあるなかで、一番は自分の良さを出していかないといけない。そこは意識しないと、形だけをやっても、僕がいるメリットはあまりないので。 どうやって自分のストロングポイントを出すか。そのためにはまず、代表のベースの動きの質を上げていかないといけないですし、迷うなくできるようになって、そこから良さを出していかないと難しいと思うので。そのベースを取り込んでいる作業の最中です。(コーチの高橋)健介さんに手伝ってもらったり、映像を見たりして、もっともっとやり方のベースを上げていかないといけないです。