南シナ海で中比警備艇が衝突 豪とASEAN中国に自粛促す
マニラ、フィリピン、3月7日 (AP) ― 中国とフィリピン沿岸警備隊の警備艇が3月5日、両国が領有権を主張する南シナ海南沙諸島沖の係争海域で一連の衝突を繰り返し、フィリピン側に4人の負傷者が出た。 事件の翌日、メルボルンで開催されたオーストラリアとASEAN首脳会議で、南シナ海で活発に活動する中国を念頭に、「平和や安全、安定を脅かす一方的な行動をしないようにすべての国に促す」とする共同宣言を採択した。 フィリピン当局は、中国沿岸警備隊の警備艇や随伴船などが、南沙諸島のセカンド・トーマス礁沖で、フィリピン沿岸警備隊の警備艇と補給船の航路を妨害したため、両国の警備艇などが衝突を繰り返したことを明らかにした。 中国政府関係者は詳細を明らかにしなかったが、同国海警局は、フィリピン船が違法に当該海域に侵入し、そのうちの1隻が中国船に衝突したとフィリピンを非難した。 フィリピン当局によると、夜明け後の衝突で同国の警備艇が船体に軽度の損傷を負ったという。さらに、その数時間後に別の海警局警備艇が、フィリピン補給船の航路を妨害、次いで衝突したと反発。 フィリピン海軍兵員が操船していた補給船はその後、2隻の中国警備艇から放水された。この放水で、補給船の窓ガラスが割れ、乗組員4人が負傷した。 少人数のフィリピン海兵隊と海軍兵員が、1990年代後半からセカンド・トーマス礁に座礁させた船上で、中国の動向を監視しており、補給船は定期的に補給物資と交代要員を運ぶ途中に、中国船の妨害を受けている。 (日本語翻訳・編集 アフロ)