自称“ソルボンヌ大卒で商社勤務”…「地面師たち」で注目「50億円詐欺事件」 主犯格のウソ八百
「パリ・ソルボンヌ大卒で16区のカフェに行くのが日課」
「土井は誰かと会う時に必ず手土産を持参する。しかも、ワインをプレゼントするならつまみのチーズも一緒に贈る気の遣いよう。一緒に食事をしても絶対に自分が払うし、運転手に相手の自宅まで送らせる。端的に言えば“ひとたらし”で、不思議な魅力があるんだ。ただ、相手が“なかなかいい人じゃないか”と思い始めた頃になると、土井は“コイツからいくら引けるか”という計算を始めている。そして、情でほだした相手から100万や1千万を引き出すワケです」 土井が口にしていた自らの履歴も、偽りに塗り固められたものだった。顔見知りの経営者はこう明かす。 「本人曰く、ソルボンヌ大学を卒業後に商社勤めを始め、高級住宅街のパリ16区にあるカフェでお茶を飲むのが日課だった、と。どう考えても嘘八百です。大卒すら怪しいのではないか」
「これだけのメンツを仕切れるのは俺しかいない」
若い頃は群馬でアパレル系の会社で働いていたというが、カタギの仕事はそれっきりだったようで、 「北海道の地上げやホテル買収に関わって、まもなく東京に出てきたと聞いている。でも、生い立ちも出身校も本当のところは誰も知らない。山口組の宅見勝若頭と一緒に仕事をしたと語っていたようだけど、そんな大物との繋がりがあるはずもない」(同) その後、何度かの逮捕を経て行き詰まり、「会員から多額の出資金を騙し取った岡本ホテル事件の債権者に声をかけて“二次被害”的に金を巻き上げていた」(同)という土井にとって、今回の「地面師事件」は久々のヒットだったようだ。 「名の知れた地面師が集合したこともあって、“これだけのメンツを仕切れるのは俺しかいない”と息巻いていた」(前出の知人) *** 土井は存命なら70歳。思わぬ形で再び世間に名が知れる形となった。
デイリー新潮編集部
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