ドヨン「NCTは僕の青春で欠かせないもの」ソロコンサートで歌のチカラ届ける
韓国のボーイズグループNCTのメンバー・ドヨンによる初単独日本公演『2024 DOYOUNG CONCERT [ Dear Youth, ] in JAPAN』の東京公演初日が9月7日に開催された。本公演は、アジア9都市をめぐるドヨンによる初めての単独ツアーの日本編で、横浜、大阪、名古屋の3都市での公演を経て行われた。グループでも屈指の歌唱力を誇るドヨンが、その歌声でファンを魅了した本公演。合間のコメントもほとんど日本語で進行し、ファンと交流する姿も見せた。WEBザテレビジョンでは、本公演の詳細なレポートをお届けする。 【写真】ファンの近くで会場を見渡すドヨン ■開演前から一体感溢れる会場 東京体育館の一面がNCTのペンライトの光でネオングリーン色に染まる中、開演時間が迫ると「Little Light」の音源が流れ始める。会場を埋めたNCTzen(シズニ、NCTのファンネーム)は、曲に合わせて大きな掛け声で応じ一体感を見せ、公演への期待感を高めた。街の身近な風景をエモーショナルに切り取ったVCRが始まると、重層的なスクリーンによる演出とバンドの生演奏が幻想的な雰囲気を作りだす。 拍手と歓声の中、ビジューで飾られた白いデニムのセットアップに身を包み、ドヨンが登場。「Beggining」を透明感溢れる歌声で披露した。続いて「こんばんは!ドヨンです。心を込めてうたいます」との宣言通り、星のようなライトが照らす会場で「Like A Star」を歌い上げた。「Lost in California」では手拍子に合わせてその声量で圧倒し、アップテンポな「Maniac」でさらに観客のボルテージを上げる。 ■日本語に意欲を見せたMC MCではまず「こんばんは!ドヨンです!歌をうたうドヨンです!」と挨拶し、歌への情熱をのぞかせた。今日の東京公演に参加した会場のファンを歓迎しながら「6月から日本でも3カ所で公演してきましたが、時間(がたつの)が本当に早いです。この3か月間が良い記憶として残っています」とこれまでの公演も感慨深く振り返り。 最近覚えた日本語として「お変わりありませんか?」を披露して「この前(の公演での)僕の日本語は子どもみたいな感じでしたが、これからは大人の日本語を話せるように頑張ります!応援してください!」と意欲を見せた。有言実行で[ Dear Youth, ]というツアー名についても「僕の青春でみんなの青春を応援する」と日本語で説明。なお、MCはそのほとんど全てを日本語で進行。わずかに韓国語が出た場面でも通訳さんの言葉をすぐに繰り返していたドヨン。「今日の東京のためだけに準備したものがたくさんあるので、期待してください!」と観客を沸かせ、次の曲へ移った。 ■サプライズで「愛を伝えたいだとか」を披露 「Serenade」を会場を見渡しながら情緒たっぷりに、「Doll」は目を閉じてしっとりと披露した後、サプライズであいみょんの「愛を伝えたいだとか」をフルコーラスで歌唱。グルーヴ感たっぷりに歌い切り、多彩なパフォーマンスで大歓声を浴びる。 続くMCで「愛を伝えたいだとか」について「好きな歌手の好きな曲なのでみんなに聞いてほしかったです」と語った。さらに「日本語を勉強した時、最近の若者は”めっちゃ”をめっちゃ使うと先生が言っていました。僕も最近の若者なのでめっちゃをめっちゃ使います!」と日本語勉強トークも止まらず。「めっちゃかわいいね!めっちゃ好きだ」と立て続けに話すと、ファンから黄色い歓声が上がり「曲より、めっちゃ好きだ(のほう)がいいですか?」と冗談で拗ねる場面も。「日本のファンのためだけ」に披露する曲については「バラードは他の曲より難しいです。なぜなら集中力が必要」としたものの「日本のファンの人は僕の歌を集中して聴いてくれるので僕も頑張ります」と話した。 ■静寂をも支配する歌声 そんな思いがこもった日本語のバラード曲「Cry」は椅子に腰かけてしっとりと、「Rewind」はキーボードに合わせ切ない表情で歌い上げ、ロングトーンの余韻の後の静寂さえ観客に聴かせる表現力を見せた。「Warmth」の披露後は、NCTの楽曲のラップパートを披露するVCRが流れ、どこを切り取っても見どころの多いコンサートであることを感じさせた。 衣装をブラックのジャケットにデニムに合わせたスタイルに替え、「Back 2 U」「Baby Don’t Like it」「Sticker」「Baggy Jeans」とNCTの楽曲を立て続けに歌唱。ソロに合わせたアレンジにファンは掛け声で参加した。特に、4曲のうちでの最新リリース(2023年)である「Baggy Jeans」ではファンが主旋律を歌うフレーズもあり、さらに一体感を増した。バンドメンバーの紹介の後には、「Kiss」を投げキスの動作を交えて歌い、ファンを喜ばせる。「Dreams Come True」では「この曲知ってますよね~?」と声をかけ、ファンの歌声とともにラストパートを完成させた。 ■NCTは僕の青春で欠かせないもの 熱気に満ちたステージの後「暑いね、なんでこんなに暑いんだろう」と小ぶりの扇風機を持ち上げるお茶目な姿で3度目のMCをスタート。NCTの楽曲を披露したことに触れながら「NCTは僕の青春で欠かせないもの」と話して会場の拍手を誘い、「NCTとか僕が、みんなの青春で欠かせないものですか?」と問いかけた。冒頭のMCで紹介した「お変わりありませんか?」も再度流暢に披露し、笑いもとったドヨン。 「僕も本当に、いや”めっちゃ”好きな曲」と紹介して日本語で歌い始めたのは、中島美嘉の「雪の華」。聴きなれた前奏がキーボードで演奏されると、客席から短く歓声が。期待に応え、観客ひとりひとりの心に語りかけるように、一言一句を美声で歌い上げた。「Beautiful Days」でも心地よいハイトーンを響かせ、「Star Blossom」「Time Machine」では観客に一緒に歌うよう促し、目前一面に広がるネオングリーンの光を感慨深げに見つめながら笑顔を見せた。後のMCでも「みんな韓国語がめっちゃ上手」とファンの歌声を賞賛。左右に広がるスタンド席にも気を配り話を振りながらファンとの交流を楽しむうちに、公演も終わりが近づいていった。続いて、海をモチーフにした映像をバックに披露した「From Little Wave」では、スケールが大きく深みのある歌声で、まさに”波”のように会場を覆った。 ■大熱狂のアンコールと”アグンパン” VCRの後、シルバーのアクセントが効いた白いシャツに黒いパンツの、今まで以上に爽やかな装いで登場。自らによるピアノの弾き語りで「Little Light」を歌い始める。今回のソロアルバム『Youth』のタイトル曲(※アルバムの代表曲で、音楽番組で主に披露する楽曲)であることもあり、会場全体から大きな掛け声が響いた。その様子を目の当たりにしたドヨンも笑顔を見せ、胸に手を当てて噛みしめている様子。続いて、公演の幕開けを飾った「Begining」を再度披露。モニターには、歌・音楽活動に対する気持ちと覚悟を示すメッセージが。公演の最初とはまた違った響きに聴き入った観客からは、大歓声と鳴りやまない拍手が起こった。お辞儀で応えたドヨンは一度ステージを降りる。 アンコールを求める声が盛り上がると、次に披露する曲について、一緒に歌えるパートを解説するVCRがスタート。演出にも細やかな心遣いが光った。映像が終わると、ドヨンは、ツアーTシャツとウォッシュ感のあるグレーのデニムの出で立ちで、ペンライトを片手に登場。「Dallas Love Field」を歌唱した。VCRで解説のあったパートではイヤモニを外し両手を広げてファンの声を全身で感じつつ、大歓声のうちに歌い切った。 すると、再び「お変わりありませんか?」のひとことで和やかにMCをスタート。写真撮影の際には、客席からのリクエストでアグンパンポーズ(手のひらで顎を包むポーズ)をして見せると、黄色く大きな歓声が沸き起こった。再度「歌よりアグンパンが好き?なんで?」と拗ねた様子を見せ、「選んでください、2時間歌か、2時間アグンパン」とファンに選択を迫り、笑いを誘う。続いて、公演に参加したファンや、ともに公演を準備したスタッフ・バンドメンバーへの感謝の言葉を丁寧に述べた。そんな感謝の気持ちを歌で伝える、と「Dear」を披露。 ■「僕はいつでも変わらずに僕の場所で精一杯歌を歌います」 改めて、アリーナ規模での公演ができたのはすべて皆さんのおかげと話し「もう1回、めっちゃめっちゃありがとうと言いたいです」と感謝の言葉を繰り返すドヨン。さらに、NCTzenへのメッセージを続ける。「僕はいつでも変わらずに僕の場所で精一杯歌を歌います。もし推し活を休みたかったら休んでも大丈夫です。僕は僕の場所にいるので、いつでも戻ってきてください。」これを聞いた会場からは感嘆の声と拍手が。「僕を応援するのが大変なことじゃないといいなと思います」と話すドヨンに、力強く<大変じゃないよ>と否定の声が上がった。 最後には、トロッコでアリーナを一周。久保田利伸の楽曲として知られる「LA・LA・LA LOVE SONG」と「Rest」を歌いながら、ファンの近くで爽やかな笑顔を届けた。会場全体が最高潮に達する中、メインステージに戻ると、イヤモニを外して歓声を心に刻んでいるようなドヨン。投げキスをふりまきながら笑顔でステージを後にし、2時間を超える公演の幕を下ろした。