我がまま、甘えんぼう…「赤ちゃん返り」に叱りすぎるのはNG!保護者の対応は【医師解説】
赤ちゃん返りは、保護者のかたにとって大変なものです。ただ、子ども自身にも何か大変なことがあるのだということを、忘れてはいけません。赤ちゃん返りは、まだうまくおしゃべりができない子どもたちの精一杯の表現方法。その行動の裏にある気持ちを理解してあげれば、親子ともに不安が解消されて、絆が深まるはずです。
そもそも赤ちゃん返りとは
赤ちゃん返りとは、ある程度成長した子どもが、弟や妹が生まれたことなどをきっかけに赤ちゃんのような態度を取ることです。妊娠が分かってすぐに赤ちゃん返りが始まることもあれば、下の子どもが大きくなってから急に始まることもあります。 ただ勘違いしてはいけないのは、「赤ちゃん返りは悪いことではない」ということ。ママやパパを困らせようと思っているわけでもなければ、保護者のかたの愛情が足りないわけでもありません。子どもたちが、「何もできなくても自分は愛されている」という自己肯定感を得るために、必要な行動なのです。
子どもが赤ちゃん返りをする理由
大人にとっては「このままで大丈夫?」と不安を感じる赤ちゃん返り。しかし、子どもにとって理由があるとわかれば、考え方が変わってくるはずです。 それでは、赤ちゃん返りをする主な理由を見てみましょう。 【環境が変わって戸惑いを感じている】 子どもは、周囲の変化に敏感です。それが、赤ちゃん返りの原因になることがあります。特にきょうだいが生まれるというのは、子どもにとって非常に大きな出来事。長男・長女の場合、生まれてからずっと両親を独占するのが普通だったはずです。ところが、弟や妹が生まれると、関わってもらえる時間が減ってしまいます。周囲が「お兄ちゃんやお姉ちゃんになるんだから」と言い始め、急にかまってもらえなくなることもあるでしょう。 大人からすれば、何でもないことかもしれません。しかし子どもは、急に周囲が変わってしまったように感じて不安になっています。その結果、ママやパパを独占しようとする行動に出るのです。 【自分への愛情を確かめたい】 親の愛情を確認したいときも赤ちゃん返りをします。赤ちゃんのお世話には、手がかかりますよね。上の子どもに今までと同じように時間をかけることはできません。すると上の子どもは、ママやパパからの愛情がなくなったのではないかと不安になるのです。 忙しいときに限って、わがままを言ったりべったりしてきたりするのはこのため。不安を感じているその瞬間に、子どもは愛情を確認したいのです。