イントゥミスチーフが6年連続の戴冠か? 北米種牡馬ランキングの“今”
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】 ◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬 【オアシスドリーム】 現役時代にジュライC、ナンソープS、ミドルパークSと、イギリスで3つのスプリントG1を制覇し、全欧最優秀スプリンターに選出されました。 父グリーンデザートの系統は、インヴィンシブルスピリット、ケープクロス、そしてオアシスドリームと、3つのラインに分かれて発展しています。オアシスドリームはゼンダ(仏1000ギニー)の半弟で、ゼンダは名種牡馬キングマンの母となりました。オアシスドリームとキングマンはサイアーラインもファミリーも同じであり、血統構成の50%が同一です。 オアシスドリームは父のスピードを受け継いで種牡馬として大成功、ミッディ、ムハラー、ネイティヴトレイル、アクラーム、パワーなど多くの活躍馬を出しています。ただ、日本ではダートでオープンクラスまで出世したサンレーンが目立つ程度で、ヨーロッパほどの存在感はありません。 ◆血統に関する疑問にズバリ回答! 「北米種牡馬ランキングはどのような感じですか?」 総合ランキングは、イントゥミスチーフが2300万ドルを稼ぎ、6年連続チャンピオンサイアーに王手をかけています。ただ、2位ガンランナーがBCクラシックをシエラレオーネで制覇するなど急追し、2000万ドルの大台に乗せました。2位の馬が2000万ドル超えを果たしたのは初めてです。おそらくこのまま逃げ切ると思いますが、来年はおもしろい戦いになりそうです。 2歳ランキングは、1位ナイキストと2位イントゥミスチーフが10万ドル弱の差で競り合っています。まだどちらに転ぶか分かりません。3位マッキンジー、4位ヴェコマ、5位ティズザローは新種牡馬で、この3頭はわずか3万ドル余りの僅差で競り合っています。3~5位の面々にも2歳種牡馬チャンピオンのチャンスは残されています。2歳種牡馬ランキング、ファーストシーズンサイアーランキングとも、年末まで目が離せません。