高速船の浸水隠し、JR九州第三者委が批判「海運の世界で通用せず」
JR九州の子会社が日韓を結ぶ高速船「クイーンビートル」の浸水を3カ月以上隠して運航を続けた問題で、外部の識者らによる第三者委員会(委員長・尾崎恒康弁護士)は21日、調査報告書をJR九州に提出した。一連の不正について「海運の世界では通用しない非常識なもの」と指摘した。 報告書では、運航するJR九州高速船の当時の幹部が「営業上の事情や社内事情を優先」したと分析。主な動機として、急な運航停止で予約客に迷惑をかけることや、キャンセル対応に当たる社員の過剰な負担を避けることを挙げた。 また、当時の社長だった田中渉氏について、親会社のJR九州からの出向で「海運事業の経験がなかった」ため、「十分にリーダーシップを発揮できない状況にあった」とした。
朝日新聞社