外国人の農地取得 23年は90ヘクタールに 3分の2は国内在住
外国人やその関係法人が2023年に取得した日本国内の農地面積が計90・6ヘクタールに上ったことが19日、農水省の調べで分かった。日本に住む外国人が営農目的で農地を取得したケースが多い。いずれの農地も適切に耕作されているという。 内訳を見ると、日本に住む外国人による取得が60ヘクタール(219人)に上り、全体の3分の2を占めた。外国人が営農目的で取得する場合に加え、日本人の配偶者を持つ外国人が相続で取得する場合も多い。 日本に住む外国人の関係法人による農地取得は30ヘクタール(20社)だった。他に、香港の企業が49%を出資する法人が愛媛県西条市で60アール取得した。この法人はキウイフルーツを生産しており、17年以降、計十数ヘクタールの農地を取得している。 一方、海外企業や海外に住む外国人による農地取得はなかった。 調査は、外国資本による農地買収の実態を把握するため、17年に始めた。当初は海外企業や海外に住む外国人、それらが出資するか役員を務める関係法人を対象にしていたが、22年からは日本に住む外国人やその関係法人を加えた。 同省は昨年9月から、農地取得者に対して農業委員会への国籍の報告を義務付けた。そのため、今回の調査では、9月以降は網羅的に把握できているが、8月以前は農業委員会が名前などに基づく推定で算出している。 この日は、外国資本による森林の取得状況も公表。23年は490ヘクタールだった。