全国ドーム球場を巡るチャリティー始まる。ネパールや東北の大震災など支援
全国のドーム球場を巡る、チャリティーのソフトボール大会が9月9日、名古屋市のナゴヤドームで始まった。東京都葛飾区在住の杉浦央晃さん(43)らが企画したもので、名古屋を皮切りに国内の5大ドームで開催し、最終地は東北・仙台の楽天スタジアムで震災被災の子どもたちを招待することを目指す。収益は、ネパールの大地震や鬼怒川堤防決壊などに寄付する予定だ。 杉浦さんは「ふだん草野球すらやったことのない人たちが、ドーム球場を貸し切ってゲームをする姿は、滑稽(こっけい)かもしれない。でも、そんな大人のバカな姿を子供に見せつつ、困った人たちの助けにもなれれば」と、意気込んでいる。 杉浦さんは、店舗集客のコンサルティングなどを手がける会社を経営。全国各地に、多数の顧客が在住している。昨年10月頃、知人との間で「大人が本気で遊ぶ姿を子どもに見せたいね」「ドームで野球でもやらない?」という話になり、「それなら、収益を寄付するイベントにしよう」と思い立ったという。 顧客には女性も多かったため、より危険の少ないソフトボールで実施することに決定。昨年末頃から、各ドーム球場と折衝を重ねるなどしながら、準備を進めてきた。ただ、各ドーム球場はプロ野球はもちろん、コンサートなど様々なイベントが頻繁に開かれていることもあり、開催にこぎつけるまで苦労したという。 9月9日の初ゲームには、北海道から四国まで、全国各地から35人のプレイヤーと応援の家族ら計50人がナゴヤドームに集まった。この日は台風18号が東海地方を直撃。一時は開催も危ぶまれたが、交通機関に大きな混乱はなく、予定メンバーの全員が球場に駆けつけた。 メンバーのほとんどは、本格的な野球経験はなく、仲間と公園で遊ぶ程度。もちろんドーム球場のフィールドに足を踏み入れるのは大半が初めてで、「広い!」「すごい!」などと感慨深げに歓声を上げた。その後、2チームに分かれて試合をスタート。「がんばれー」とベンチから声援を送る子どもたちに格好いい姿を見せようと、ハッスルプレーを披露した。 今回、各メンバーからは1万円の参加費を徴収。その他Tシャツ販売の利益や杉浦さんに寄せられた寄付を含め、球場の使用料を払っても、20万円ほどの収益が発生する見込み。今回の収益は、ネパールで先日起きた大地震の被災者のために寄付をする。 試合後、杉浦さんは両ふくらはぎをつりながらも、「みんなが楽しんでくれたので、大成功。ナゴヤドームさんのご協力のおかげで、本当に感謝しています。これから100万円の寄付を目指して、全国のドームや球場でソフトボールの試合をします!」と笑顔を見せていた。