秋の開花へ 生育環境を整備 ツツザキヤマジノギク保全 長野県松川町
長野県松川町保全協議会と町公民館は25日、町の天然記念物で、外来種の進出や出水などの影響により個体数が減少している「ツツザキヤマジノギク」の保全活動を町内の天竜川河川敷で行った。会員や国土交通省天竜川河川事務所の職員、地域住民ら30人余が参加し、外来種や雑草の駆除に汗を流した。 県のレッドリスト(絶滅危惧種1A類)に登録されているキク科の越年草(2年草)。花の大きさは2・5~5センチ、高さは30~100センチほど。色は白や紫などで、花弁が筒状になって咲く。開花期は10~11月。 町では1998年から保全活動が始まり、町民の地域活動として定着。河川敷では約4万本が花を咲かせるようになったが、2021年8月の豪雨で水につかり、大部分が枯れる被害を受けた。 被害後、天竜川上流河川事務所の協力を得て河川敷の高台に保護地を整備。採取した種をまくなど保全活動を続けている。 この日は保全地内でツツザキヤマジノギクの株を確認しながら雑草を抜き取った他、周辺に繁茂するオオキンケイギクなどの外来種を駆除。秋の開花期に多くの花が咲くよう、生育環境を整えた。 活動に参加した松川中学校3年生の生徒は、学校の総合学習でツツザキヤマジノギクの保全をテーマに選んだといい、「中学生も地域の皆さんと一緒になって、町の貴重な植物を守る活動をしていけたら」と話していた。