3ヶ月後に65歳になりますが、その前に退職して「失業給付」をもらうか「働き続けるか」で迷っています。受け取れる金額はどう変わりますか?
老齢年金を受け取れる65歳になる前に、いったん退職して新しい仕事を探すか、または現在の職場で働き続けるかで迷う場合、どちらの選択肢を選ぶのが良いのでしょうか。本記事で、試算をまじえて解説します。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
65歳の前と後では、もらえるお金が違うの?
65歳になる前と後では失業給付などもらえるお金に違いがあり、主なものをいくつか挙げます。 <65歳直前に退職した場合> (1)失業給付などの受給総額が多くなる 64歳11ヶ月の退職でも失業給付(基本手当)や、再就職手当が受け取れます。失業給付は被保険者期間が10年未満で90日分、20年以上なら150日分を受け取れます。 (2)年金との支給調整が行われる 65歳になる前に失業給付を受けると、65歳を迎える日まで厚生年金が支給停止されます。ただし、65歳の誕生日以降は失業給付と年金の両方を受け取れます。 <65歳以降に退職した場合> (1)失業給付が受けられない 65歳を過ぎて働く場合は、雇用保険の「高年齢被保険者」となり、失業給付は受けられません。 その代わりに離職の際に「高年齢求職者給付金」が一時金として支払われます。給付金の支給額は、雇用保険の加入期間が1年未満では基本手当日額の30日分、1年以上なら50日分で、全額まとめて支払われます。 (2)年金との支給調整が行われない 高年齢求職者給付金は年金とは別に支給されるため、厚生年金は支給停止になりません。
退職前の月収15万円の場合、高年齢求職者給付金はいくら?
高年齢求職者給付金を受け取れるかは「退職日前1年間に、雇用保険の加入期間(被保険者期間)が通算して6ヶ月以上あること」、「失業しており、求職活動を行っているが就職できていない状態であること」が必要条件です。 例として、退職6ヶ月間の平均月収15万円の人が受け取れる高年齢求職者給付金を試算します。 <計算式> 賃金日額=退職前6か月の賃金合計90万円÷180=5000円 基本手当日額=賃金日額5000円×給付率80%=4000円 ・雇用保険の加入期間(被保険者期間)が通算1年未満の場合 基本手当日額4000円×30日=給付金見込み額15万円 ・雇用保険の加入期間(被保険者期間)が通算1年以上の場合 基本手当日額4000円×50日=給付金見込み額20万円