ビットコインが8万8000ドル超え、米議会も「暗号資産支持派」急増
暗号資産ビットコインの価格は、米国時間11月11日早朝に史上初めて8万2000ドルを突破し、その後は8万8000ドルを上回っている。この上昇は、ドナルド・トランプ米次期大統領が、暗号資産に友好的な立場をとっていることを受けてのものだ。 世界で最も時価総額が高い暗号資産であるビットコインの価格は、11日早朝の取引で史上最高の8万2197ドルに達し、先週との比較で19.5%以上の上昇を記録した。 時価総額で2番目の暗号資産であるイーサリアムの価格も、過去1週間で28.7%上昇し、3165ドルに達している。さらに、ドージコイン(DOGE)や、ソラナ(SOL)、バイナンスコイン(BNB)も過去1週間で上昇しており、特にボラティリティの高い「ミームコイン」のDOGEは83%上昇した。 米共和党は、5日に上院の支配を取り戻し、下院でも多数派を維持する瀬戸際にあることから、トランプは暗号資産に友好的な政策を難なく導入すると予想されている。 多くのアナリストはトランプの勝利が暗号資産の急騰につながると予測していた。バーンスタインのアナリストを務めるゴータム・チュガニらは、トランプが勝利すれば、ビットコインは今後2カ月間で8万ドルから9万ドルに上昇すると述べていた。また、スタンダードチャータードのジェフ・ケンドリックも先月、トランプが勝利すればビットコインが年内に12万5000ドルに達すると予想した。 トランプは、マーク・アンドリーセンやウィンクルボス兄弟などの暗号資産のリーダーらの支持を受けていた。また、副大統領に選出されたJ.D.ヴァンスは、長年のビットコインの投資家として知られている。 暗号資産業界は、2024年の大統領選における主要な献金グループの一つであり、ニューヨーク・タイムズによると、コインベースやリップルが中心的役割を果たした2つのグループは、総額1億3500万ドル(約208億円)の政治献金を行っていた。この投資は成果を上げているようで、非営利団体の「スタンド・ウィズ・クリプト」によると、10日までの間に当選した暗号資産を支持する候補者の数は、下院で268名、上院で19名に達していた。一方、この業界に否定的な新議員の数は下院で122名、上院で12名に留まっていた。 トランプの当選以外で、暗号資産業界にとって大きな勝利の1つは、オハイオ州の上院選でブロックチェーン起業家のバーニー・モレノ(共和党)が現職のシャロード・ブラウン上院議員を破ったことだ。 ブラウン議員は、上院銀行委員会の委員長を務めており、暗号資産業界の規制緩和に反対する声を上げていた。コインベースの共同創業者でCEOのブライアン・アームストロングは、オハイオ州上院選の結果を受けて「暗号資産を否定する政策は、単純に悪い政策だ」とX(旧ツイッター)に投稿した。
Sara Dorn