SNS特定やトラブル回避へ、職員名札は「名字のみ」 「実害ないが予防のため」長野県茅野市
長野県茅野市は4月から職員が身に着ける名札をこれまでのフルネーム(姓名)から名字のみの表記に変えた。フルネームを表記する場合、交流サイト(SNS)などで個人情報が特定されてトラブルにつながる恐れがあるとし、全国の自治体でも同様の対応をしていることから変更。職員が安心して業務に従事できる環境をつくるとしている。 【写真】名字のみ記すようになった名札
長崎市や福井市など全国の自治体で名札を名字のみに切り替える動きがあり、茅野市も「改善を考えるべきだ」との声が庁内から出ていた。これまでフルネームの表記だった名札を名字のみに切り替える。
市役所の窓口にある座席表についても、これまでは姓名と顔写真を載せてきたが、今後は名字のみに切り替えるという。
市総務課は「職員への実害はなかったが、予防のために対策が必要」と変更。その上で「(姓名が分かれば)SNSで個人が特定されかねない時代。職員が安心して能力を発揮できる環境をつくり、市民サービス向上につなげたい」としている。
諏訪地域では、岡谷市と諏訪市も職員の名札の表記を変更。岡谷市はフルネームと顔写真の名札を名字のみに変えた。部署名は引き続き掲載する。個人情報保護が目的で、市総務課は「名字だけの表記でも分かる」と説明。部署名と名字の表記に切り替えた諏訪市は「(職員に理不尽な要求をする)『カスタマーハラスメント』を防ぐため」(総務課)としている。
県も本年度、全職員を対象に顔写真付きのフルネームの名札を名字のみに変更した。