「いつまでも貪欲」TEAM SHACHI、ニューEP「待ち合わせに、飽きもと。」に迫る:インタビュー
愛知県出身の秋本帆華、大黒柚姫、坂本遥奈、咲良菜緒による4人組ガールズグループのTEAM SHACHIが、8月7日にEP「待ち合わせに、飽きもと。」をリリース。TEAM SHACHIプライベートレーベル「ワクワクレコーズ」3枚目となる新作EPで、「のんあるすいけん feat.炒飯」、「TEAM SHACHIのソーラン節(南中ソーラン )」、「まつりびと~カキツバタ~」、「沸き曲」の4曲を収録。TEAM SHACHIは、TikTokで1,000万回再生を突破する動画を生むなど話題になったアカウント名をそのまま作品タイトルにした。インタビューでは、EP「待ち合わせに、飽きもと。」に収録された4曲について語ってもらうとともに、自身が思うTEAM SHACHIの魅力について聞いた。(取材・撮影=村上順一) ■諦めずにいろいろやってみて良かった ――昨年、「待ち合わせに、飽きもと。」というアカウント名で行った、待ち合わせ場所で踊る動画を遠方から撮影した動画がTikTokで話題となりました。これはどのような意図で行われたアイデアだったのでしょうか。 坂本遥奈 チーム全体、メンバーもスタッフさんも含めてTEAM SHACHaIの認知度をもっと上げていきたいというところからでした。一般認知度としてまだまだなので、認知度をもっと上げていきたいなって。近年はTikTokがすごくいいコンテンツなので、TEAM SHACスタッフの方たちと話し合いながら進めていきました。その時から「100万回再生いくようなコンテンツにしよう!」と目標にしていました。 大黒柚姫 待ち合わせ場所で踊っているのを遠方から撮影する、このフォーマットに行き着くまでいろんなことを試しました。たとえば流行している音源を使用してみたり、自分たちのライブ後に汗だくのままゲリラで踊ったりしていました。その中で人混みの中でいきなり踊るというのが一番広がりました。諦めずにいろいろやってみて良かったなと思っています。 ――このスタイルで皆さん以外にもやっている方っていました? 咲良菜緒 やっている方はちらほらいたと思います。でも、あんなに恥ずかしがらずに全力で踊っている人はいなかったかもしれないです。私たちの場合は自ら「見て!」と意識してやっているので、恥ずかしいという感じがあまりなかったのが、面白かったと思ってもらえたんじゃないかと思っています。 秋本帆華 『めざましテレビ』(フジテレビ)さんにも取り上げていただいて、そんなところまで届いてくれたので、とても嬉しかったです。 ――話題になってからの期間で、どのような変化がありましたか。 坂本遥奈 始めた時は正体を明かさずにやっていました。去年の10月に出演した 「スタプラアイドルフェスティバル」のタイミングで、私たちのオリジナル楽曲「沸き曲」をTikTok上で使用して「TEAM SHACHIです!」と正体を明かしてからは、「沸き曲」をいろんな場所で踊るようになりました。それまではその時期に流行っている音楽だったり、「ソーラン節」をメインに踊っていましたが、「沸き曲」がTEAM SHACHIの曲というのを知ってもらって、待ち合わせの子たちの曲=「沸き曲」になりつつあるのかな? と感じています。アイドルフェスやイベントに出演させていただいた時に、「沸き曲」のイントロが流れると、私たちのファン以外の方も「あれ、この曲?」みたいな反応が少しずつ増えてきて、これは絶対TikTok効果だと思いました。まだまだなんですけど、ちょっとずつの変化でも嬉しいです。 ――ところでEPのタイトルにもなりましたが、「待ち合わせに、飽きもと。」とは、どういう意味なんですか? 秋本帆華 私の苗字が秋本なので、それをもじったタイトルなんです。「普通の待ち合わせだと飽きちゃうよね」っていうところからきたワードで、私が撮影担当だったので、名前をもじった言葉を入れました。 ――さて、EP1 曲目の「のんあるすいけん feat.炒飯」はMVも公開されていますけど、ノンアルなはずなのに、みなさんほろ酔い感がうまくでてますよね。実は缶の中身は本当のお酒だったりして(笑)。 咲良菜緒 あの缶の中身はお酒でもジュースでもなくて、水なんです。 大黒柚姫 暑かったからすごくぬるくて。もうほとんど白湯だったよね。 秋本帆華 酔っ払ってなくても、いつも私たちはあんな感じなんです(笑)。 咲良菜緒 「メンバー同士でふざけあって」みたいな指示があったんだよね。 秋本帆華 そうそう。カメラを長回しして、あとは自由に戦ってくださいみたいな。 ――等身大の皆さんなんですね(笑)。撮影で使っていたお店は実際にある中華屋さんですよね? 坂本遥奈 私たちがギャルになってみんなでパラパラを踊っているシーンは、中華街のど真ん中にある中華料理屋さんで、お店をバックに踊っているシーンは、中華街から15分ぐらい行った商店街の中にある中華屋さんです。 大黒柚姫 撮影でも使われるお店みたいで、映画の撮影もしたことがある有名なお店みたいです。 咲良菜緒 MVでお店の名前が出ているから、ファンの方も聖地巡礼みたいな感じで行ってくれているみたいで嬉しいです。 ――撮影で印象的だったことは? 大黒柚姫 空き時間に商店街をお散歩したのですが楽しかったです。私とハル(坂本遥奈)がギャルメイクを最初に行ったので、撮影の前にそのギャルの格好のままで商店街を歩きました。 坂本遥奈 ギャル姿で中華街を歩くなんて、最初で最後かもしれないなと思いました。 咲良菜緒 中華街でギャル姿で撮影した後、先ほどお話にでた中華屋さんまでタクシー移動だったのですが、その日は週末で、中華街もたくさんの人であふれていました。タクシーの進むペースが遅かったので、中華街を歩いている人たちとすごく目が合って。この衣装で移動していたのも相まって、たぶん外にいる方たちからしたら、「なんでこんなに混んでいるタイミングでタクシー?」と思われていたと思います。かなり恥ずかしかったです(笑)。 秋本帆華 見られていたといえば、撮影でほろ酔いメイクをしたんですけど、メイク場所から撮影場所まで少し距離があったんです。赤いほっぺメイクの状態で商店街を歩いていたので、周りの人から「大丈夫かな?」みたいな目で見られていたと思います。 ――最後、パラパラを踊るシーンは炒飯の炒め具合のパラパラと掛かっていて。 坂本遥奈 そうなんです! リリイベでこの曲を何回かやっているのですが、最初はそれを言わずに気づいてくれる方いるかな? みたいな気持ちでやっていました。 3~4回目のリリイベのときに、「実はパラパラを踊っているのは炒飯をパラパラにするためです」と話したら、イベントに参加してくださっていたファンの方も「あっ、そういうこと」みたいな(笑)。 ――ちなみに中華料理店に行って、「これは外せない!」という好きなメニューは? 秋本帆華 私は豆苗炒めです。すぐ出てくるイメージがあるので、最初の1品目、メイン料理の前に頼んじゃいます。 咲良菜緒 頼んでる印象ある! 大黒柚姫 この間、私、家で豆苗炒め作った! 秋本帆華 えー! 私も家で作ってみたんだけど、全然お店の味が出ないのよ~。 大黒柚姫 豆苗炒めの素みたいなものが売っているから、それ使えばけっこういけるよ! ――お店の味にするのは難しいですよね。咲良さんはいかがですか。 咲良菜緒 私は中華料理といったらごま団子です。昔からあんこが好きで、中華でしか食べられないデザートなので、お腹に余裕があったら毎回ごま団子を頼んじゃいます。 ――大黒さんは? 大黒柚姫 私は天津飯です。もしくは青菜炒め。私はたまごが大好きなので、天津飯は頼んじゃいます。炒飯もたまごがはいっているから好きです。 坂本遥奈 私は回鍋肉がすごい好きなんですけど、なんだかんだ一番好きなのはエビマヨです。エビマヨは特別な存在で私の中で殿堂入りしています。お店によってソースが透明感のあるテリテリのものとクリーミー系があって...。 咲良菜緒 どっち派なの? 坂本遥奈 透明感のあるテリテリ派!(笑)。お店によってエビの大きさ、衣の感じも全然違うので、楽しんでいます。 ▪︎「ソーラン節」を変えていくぐらいの気持ちで ――2曲目は「TEAM SHACHIのソーラン節(南中ソーラン )」です。すごくかっこいいなと思って、「ソーラン節」のポテンシャルを改めて感じさせてくれたカバーでした。 秋本帆華 そういってもらえて嬉しいです。 咲良菜緒 独特なメロディーと言いますか、歌いなれていない歌詞や歌唱法だったので、伸ばすところとか息を切る、言葉を切るところもすごく難しかったです。「ソーラン節」でバズったきっかけがハルのダンスだったので、あえてハルの歌唱パートはないんです。それはライブを見据えて「ソーラン節」の子という印象を付けたくて、ダンスに全集中してもらいました。 坂本遥奈 マイクを置いて踊ろうと思っています(笑)。 咲良菜緒 レコーディングでは、力強い感じのバージョンも録ったり、TEAM SHACHIっぽくてマイルドでナチュラルなもの、いろんなバージョンを録りました。 秋本帆華 私は力強く歌ったバージョンが使われていました。 咲良菜緒 私はノーマルなバージョンだった! できるところまでやってみてほしいとリクエストをいただいたので、「あれっ、普通の方が使われている?」と思って(笑)。 坂本遥奈 菜緒はノーマルでもかなりロックな感じだったから、それで全体とのバランスを取ったのかも(笑)。 秋本帆華 歌詞も<ウチらがシャチのソーラン節は>というワードが入っていたりとアレンジされています。私たちがカバーさせていただくにあたって、「ありがとうございます」の感謝の気持ちも込めて歌わせていただきました。 ――ちなみに振り付けはどのようなものに仕上がっていますか。 坂本遥奈 オリジナルの「ソーラン節」のフリをつけられている、南中ソーランの春日流さんが、オリジナルの「ソーラン節」の要素も入れつつ、新しく振りを考えてくださいました。これまでの「ソーラン節」のイメージだと腰を低く落としたり、激しいイメージもありますけど、現代のみなさんが楽しく踊れるイメージで振りをつけてくださっています。春日さんも「『TEAM SHACHIのソーラン節(南中ソーラン )』が全国の学校の皆さんに踊ってもらえるぐらいになるといいよね」と言ってくださって。その想いを乗せて作ってくださった振り付けなんです。 ――そんなすごいことになっていたんですね。 咲良菜緒 「ソーラン節」を変えていく、ぐらいの気持ちです。 坂本遥奈 その言葉を聞いたとき、本当に嬉しかったです。 ――そして、「まつりびと~カキツバタ~」も和を感じさせる1曲です。 咲良菜緒 愛知県民、東海エリアの方なら絶対に知っている日本最大級の踊りのお祭り『にっぽんど真ん中祭り』の総踊り曲として書き下ろされた楽曲です。すごいお祭りの新しい総踊り曲として流れることになって、すごく光栄です。 ――起用されるにあたってどのような経緯があったのでしょうか。 咲良菜緒 去年、初めてTEAM SHACHIとしてお祭りに参加して、フィナーレで行う総踊りがきっかけでした。そのときは私たちの楽曲「抱きしめてアンセム」で、保育園の子たちと披露しました。その時にお祭りのスタッフさんから、「いつか総踊りのオリジナル曲とかできたらいいよね」と言ってくださって、その時はできたらいいなあくらいの気持ちでした。それが実現することになりびっくりしています。 ――この曲の注目ポイントは? 大黒柚姫 私たちTEAM SHACHIに改名してから、ブラス民というブラス隊が私たちの活動を支えてくださっているのですが、今回の収録曲唯一というかこの曲だけブラス民の生演奏が収録されているので、お祭り感、太鼓の音とかたくさんありますけど、管楽器の音だったり、私たちの歌声や歌詞以外にも華やかな部分がたっぷり詰め込まれていて注目してもらえたら嬉しいです。 ■TEAM SHACHIはいつまでも貪欲 ――そして、4曲目に収録されているのは「沸き曲」ですが、これ振り付けを見ると“沸き”と“脇”が掛かっていますよね? 秋本帆華 掛かっています(笑)。この曲の振り付けはメンバーで考えました。 大黒柚姫 沸きと脇を掛けて、ダジャレみたいな感じに私たちが勝手にしてしまいました。帆華は脇を出すような振り付けをするのですが、菜緒とハルは「そんなに脇を出しちゃダメだよ」といった感じで、脇を隠しにいく振り付けになっています(笑)。 ――あはは(笑)。 咲良菜緒 この楽曲ができた当時も私とハル、帆華と柚姫で意見が分かれていて、帆華と柚姫はひたすら楽しい曲を求めていたみたいで、前のめりで「この曲、めっちゃやりたい!」って。 秋本帆華 難しいことは何も考えず、ただただみんなで“沸く曲”がほしいと思っていたところに、こういった曲も届いてるよってお話があって。 大黒柚姫 その時はアルバムの収録曲の打ち合わせだったんですけど、アルバムに収録される候補曲ではなく、資料の中には入っていなかった曲でした。お試しで聴いてみたら私と帆華がこの曲に運命を感じてしまって。 咲良菜緒 2人は大興奮してすぐに歌っていたよね。こんなにもテンションが上がっているメンバーを見るのも珍しかったです。TEAM SHACHIの曲としてやった方がいいけど、すごく振り切らないと面白くない。とはいえ私とハルは、2人のテンション感にはついていけてない。どこか照れ臭さくて(笑)。 坂本遥奈 私には無理だよ~って(笑)。 咲良菜緒 そこで思いついたのが、2人をフロントにした曲にしちゃえばいいんだと思いました。私とハルはサポートに徹しています(笑)。帆華と柚姫がいつも引っ張ってくれる曲になっています。 大黒柚姫 この曲を歌っているとき、私たちは一番キラキラしていると思います(笑)。披露するごとにいろいろアドリブが生まれたりもして変化しているんです。また、最初の<WA WA WAI WA WA WAI>の時も、私たちについてこい!という気持ちでパフォーマンスしているので、タフ民がちょっとでも恥ずかしがっていたりしているのを発見したら、「そこ! 恥ずかしがらない!!」みたいな。 秋本帆華 すごいスパルタだよね(笑)。 大黒柚姫 目を細めて客席をチェックしています。でも、最近はみんなとてもいい感じで楽しんでくれています。 咲良菜緒 この曲はバカになってもいいって、分かりやすく提示できているので、みなさんがノッてくれていて嬉しいです。 ――すごくライブ向きな曲ですよね。最後に来年1月4日に、TEAM SHACHI改名後初となるTOKYO DOME CITY HALLでのワンマンライブ『決戦の鯱詣2025』が決まっていますが、どんなステージにしたいですか。 秋本帆華 今の私たちの目標が、もう一度日本武道館でワンマンライブをすることなんです。まずはこの東京ドームシティホールを成功させないと、その夢は叶えられないと思っているので、ここで私たちがいまできることを存分に発揮させたいと思っています。新曲も増えましたし、やれることがいろいろ増えていると思うので、みなさんを絶対楽しませたいと思っています。 ――そんないまのTEAM SHACHIを一言で表すとしたら、どのような言葉が合いますか? 大黒柚姫 すごく貪欲だなと感じています。もう13年目だけど、まだまだやってないことを探しています。今回のEPもそうですけど、何か楽しいことはないかな?とか、まだまだ追求しているところは貪欲だなと思います。いろいろな方に「新人みたいだね」と言っていただけるんですけど、その言葉が本当に嬉しくて。いつまでも貪欲なのがTEAM SHACHIの魅力だと感じているので、これからもその気持ちでやっていきたいです。 (おわり)