廃棄ゼロの型紙シンフラックス、ゴールドウインや「ダブレット」からコラボ製品続々
生産工程の生地廃棄ゼロを目指すデザインシステムを開発するシンフラックス(Synflux)の協働先が増えている。ゴールドウイン(Goldwin)の「ニュートラルワークス.(NEUTRALWORKS.)」は2月9日、「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」は3月1日、それぞれ1型ずつ製品を発売する。「ダブレット(DOUBLET)」は1月21日、2024-25年秋冬コレクションでテイラードのセットアップやデニムのセットアップ、コートなど7アイテムを発表した。今後、人気ブランドや有力セレクトショップのオリジナルブランドと協働した製品の発表も控える。 【画像】廃棄ゼロの型紙シンフラックス、ゴールドウインや「ダブレット」からコラボ製品続々
直線的なパターンから改良
ゴールドウインとの協働プロジェクト“シングリッド(SYN-GRID)”は今回が第2弾。第1弾は、「ニュートラルワークス.」は早い段階で、「ザ・ノース・フェイス」は発売から3週間で完売するなど好評だった。第2弾の今回は、アルゴリズムをアップデートしたことで、第1弾では直線的になっていたパターンを改良。運動性を担保するアームホールやネックラインなどの三次元形状の再現度は担保したまま、実現したい意匠や構造、着用感を損なうことなく可能な限り設計を最適化することができるようになったという。加えて、縫製箇所を複数提案できるようになった。
「ニュートラルワークス.」はアシンメトリーなアノラックを提案した。大坪岳人事業部長は「今回は縫製箇所やパネルの少ないアノラックを作りたいと考え、機能性や着心地などのクオリティを追求した。初めての協働だった前回は紆余曲折、さまざまなアプローチを試みたのに対して、今回は何ができるのかが明確だったため、迷いがなくソリッドな仕事になった。結果、廃棄率10%以下を実現しながら、クオリティの高いアノラックになった」と言う。今後の協働についても「“シングリッド”自体、アイテムや素材の種類、ストレッチの有無など検討余地や可能性が無限にある。何かに当て込んで“シングリッド”を活用するという発想ではなく、自分たちが作りたいデザインを実現する手法として“シングリッド”が適していれば採用することになるだろう。個人的にはダウンのような中綿入りのウエアなど表と裏がある(2~3枚の素材を使う)アイテムで挑戦してみたい」と前向きだ。