「約3年でたったこれだけ!?」ロシア製旅客機“ぜんぜん製造できていない”状況あきらかに 経済制裁の影響 “純ロシア産”で再起できるのか?
2022年以降に生産された驚愕の機体数とは?
ロシアのユナイテッド・エアクラフト・コーポレーション(UAC)が2022年2月以降わずか7機の旅客機しか製造していないことを2024年12月12日、海外メディアのBBC報じました。 【まだ完成していない?】これが、実験中のMS-21です(写真) 報道によれば当初UACは2022年に108機の旅客機を製造する計画を立てていました。しかし、同年2月にロシアはウクライナ侵攻を開始。アメリカや西欧などのいわゆる西側諸国の経済制裁が発動され、旅客機で使われる外国製部品を国産のものに転換する方針を明らかにしていました。 ところが、実際に製造されたのは、ウクライナ侵攻前の在庫部品から作られた「SSJ(スホーイ・スーパージェット)100」7機のみであったようです。 SSJ100に関しては既存機に関しても、フランスのスネクマと共同開発した「SaM146」ターボファンエンジンの維持が制裁により難しくなったため、新型の国産エンジンであるPD-8を搭載した機体がテスト中になっています。 また、UACが開発中である双発中短距離ジェット旅客機であるイルクート MS-21(ロシアでの型番はMC-21)も、2022年の制裁の影響で、搭載するエンジンや電子機器を純ロシア製にして、作りなおす方針となっています。本格的な制裁開始以前から同機の開発は遅れており、当初2020年納入予定だったものが、現状では2026年になると見込まれています。ただ、これも伸びる可能性があります。 ウクライナの公式サイト「ユナイテッド24」によると、ロシアは現在、新旅客機の部品を国産製に置き換えると同時に、Il-96-300やTu-214などの旧式航空機の生産を再開しようとしているとのことです。また、本来民間機に使われるはずだった部品や資源が軍用機の製造と修理に回されている点も指摘されています。
乗りものニュース編集部