『ねずみくんのチョッキ』50周年 「思いやりは想像力」 作者・なかえよしをが語る“想像する力”
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絵本作家のなかえよしをさん(84)が27日に、絵本『ねずみくんのチョッキ』の誕生50周年を記念した講演会に登場。一生を決めたという言葉から、想像力についての持論を語りました。 【画像】『ねずみくんの絵本シリーズ』の作者、なかえよしをさん なかえさんと言葉の出会いは、大学で受けたフランス語の講義だったそうで「これで一生、決まっちゃった、みたいな」と表現したその言葉とは、サンテグジュペリの小説『星の王子さま』の「大切なものは目に見えない」というもの。 なかえさんは「この言葉が僕にとっては一生ショッキングでね。大切なものは目に見えないっていうことは、目に見えることは大切じゃないということですよね」と振り返りました。 続けて「目に見えるものって何だろうと考えると、地位とか名誉とかお金とか。そういう目に見えるものは大切じゃないよと言っているわけです。もっと大切なものは目に見えないところにあると、言っているんですね」と話しました。
■誕生から50年 『ねずみくん』で伝えたい“想像力”
講演会の後半では、「大人は勉強をして、いっぱい知識が増えるわけで。知識が増えると、知識中心になっちゃう。子どもは逆に、知識がないから想像力で補うわけですね。知識が増えるほど、想像力が減っていっちゃうんじゃないかな」と話したなかえさん。 さらに、「思いやりは想像力ですね。思いやりがないということは想像力がないということ。今の大人たちは思いやりがないわけです。だから戦争が起こったり犯罪が起こったり。自分中心になった世界は、目に見える世界しかない世界。見えない世界を見る、思いやることは想像することですから」と持論を語りました。 最後に、「大人になると、みんな大人になっちゃう。気持ちで生きている時がどんなに素晴らしいかを、『ねずみくん』で表現できればいいな」と言葉にしました。