【箱根駅伝の一番星】明大・杉彩文海が「箱根駅伝と両親へ感謝の走り」で後輩たちへシード権の置き土産を
陸マガの箱根駅伝2024カウントダウン企画「箱根駅伝の一番星」では、出場23校の注目選手を紹介。4年ぶりのシード奪還を目指す明治大の屋台骨を支えるのが、前回7区区間賞の杉彩文海(4年)。ロードでのハイレベルな安定感を武器に、チームの“精神的支柱”としての役目を果たすつもりだ。
メリハリをつけて箱根路へ
前回の箱根で存在感を発揮した。12位でタスキを受けた時点で、10位との差は1分22秒。徐々に差を詰めて二校を抜き去り、チームをシード圏内まで押し上げ、区間歴代8位の好タイム(1時間02分43秒)で初出走ながら見事区間賞を獲得した。 だが、杉におごりや高ぶりはなく、実直かつ冷静に言葉を紡ぐ。 「区間賞を変に意識しすぎるのもよくないので、あまり考えないようにしています。ただ、区間賞を獲れたことでここまでやってこれたので、自信にする部分と、傲慢になりすぎず、謙虚にしていく部分でメリハリをつけて、箱根には臨むつもりです」 今季はチームの主軸として結果を残してきた。5月の関東インカレ1部ハーフマラソンでは、1時間03分10秒の自己記録で4位入賞。10月の箱根駅伝予選会は直前の体調不良で、一時出走が危ぶまれたものの、チーム4番手の1時間03分13秒でまとめた。その高い安定感に、山本豪駅伝監督も厚い信頼を寄せている。 「身体が丈夫でメンタルも強い。普段の練習がしっかり積めているので復帰も早いですよね。実は予選会前も大事なポイント練習で離れていたのですが、杉なら『貯め』があるから大丈夫かなと。あまり杉に対しての不安はないんです」(山本監督) 杉本人も「しっかりと4年間積み重ねてきたベースに自信を持っていて、そうした意味でレースの安定感はあるのかなと思います」と自らの強みを分析する。箱根にむけては「チームの状況によってどの区間でも行けるように」と準備しているが、往路の主要区間を担う可能性も高い。 自身に求められる役割について、杉は明確な答えを持ち合わせている。 「今年のチームは下級生が中心になるので、自分が絶対に高いレベルで安定して走ることで、下級生の奮戦を促せたら。『この区間に杉がいるなら自分がチャレンジしてもまとめれくれる』と思ってもらえるような、精神的支柱としての役割を果たしたいと思っています」