体操・全日本選手権 橋本が4連覇 三輪(城南静岡中出)は8位、五輪へ望みつなぐ
体操のパリ五輪代表2次選考会を兼ねる個人総合の全日本選手権最終日は14日、群馬県の高崎アリーナで男子決勝が行われ、既に代表に決まっている22歳の橋本大輝(セントラルスポーツ)が合計176・164点で4年連続4度目の優勝を果たした。三輪哲平(セントラルスポーツ、城南静岡中出)は合計169・063点で8位だった。平行棒は15・233点の全体1位。 残り4枠の代表は、全日本の得点を持ち点に争う5月のNHK杯で決定。個人総合とチーム貢献度で各2人が選ばれる。
予選でミスも立て直す 平行棒、跳馬で高得点 三輪「最後までもがく」
悲願の五輪へ望みをつないだ。三輪は予選9位から立て直して順位を一つ上げ、代表ライン(橋本を除く上位2人)と2・533点差で踏みとどまった。「周囲は厳しいと言うかもしれないが、自分は大チャンスだと思っている。最後までもがき続けるだけ」。代表入りへ、並々ならぬ執念をにじませた。 予選は最終種目のあん馬で落下。引きずりかねない状況だが「ミスは出る。NHK杯を含め4日間の勝負」と腹をくくっている。決勝は第1種目であん馬を乗り切り、得意の跳馬は14・900点。平行棒は持ち味のEスコア(出来栄え)で9・033点を出すなど、「完璧。これ以上の得点は出ない」と言い切る全体トップの15・233点をマークし、チーム貢献度でも食らい付いた。
東京五輪は補欠。昨季は初めて世界選手権代表に入りながら、練習中に左肩を脱臼して直前にメンバーを外れた。何度も悔しさを味わってきた23歳はこの半年間で「リハビリとトレーニングに死ぬ気で取り組んできた」という。NHK杯まで1カ月。「もはや演技ではなく、自分が五輪に行くんだという目の輝きやオーラを見てほしい。粘り倒す」。誰もが潜在能力を認めるオールラウンダーは覚悟を決めている。