車を走行中に「てんかん」9人負傷、懲役5年求刑…運転を続けた理由「私のわがままだった」
運転中にてんかん発作を起こし9人をはねたとして、自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致傷)などに問われた福岡県須恵町、無職の男の被告(66)の初公判が26日、福岡地裁であり、被告は起訴事実を認めた。検察側は懲役5年を求刑し、結審した。判決は7月12日。 【写真】てんかんで医師から運転禁止の男、事故前にも廃車で車買い替え…福岡県宇美町9人重軽傷
起訴状によると、被告はてんかんの発作で意識を失ったことがあったが、昨年7月、運転免許更新時にない旨のうその回答をした。11月には同県宇美町の県道で運転中に発作を起こして意識障害に陥り、歩行中の高校生の男女ら9人をはね、最大3か月の骨折などのけがを負わせたとしている。
検察側は被告が2022年にてんかんの診断を受け、医師や妻から止められたが、趣味や通勤のために運転したと主張。事故の2か月前にも意識を失い物損事故を起こしたが、車を買い替え運転を続けたとした。一方、弁護側は保険により被害者への賠償も一定程度行われているとして、懲役3年、保護観察付き執行猶予5年が相当と訴えた。
被告人質問で、被告は運転を続けた理由について、「私のわがままだった。人の話を聞かないというのがあった」と供述した。