「米・サウジ・イスラエル」三角ディールか、イスラエルは切り離すか|週末に読みたい海外メディア記事5本|2024.5.6-5.10
イスラエルはパレスチナ国家樹立を拒否する姿勢を崩していない[イスラエルのネタニヤフ首相(右)を訪ね会談するブリンケン米国務長官(左)=2024年5月1日、イスラエル・エルサレム](C)ABACA via Reuters Connect
今週もお疲れ様でした。 イスラエル・ハマス戦争 が泥沼化し、そこにイランが関与を深める展開となっていることで、アラブ諸国の盟主としてのサウジアラビアへの関心が高まっています。 米国が旗振り役となってイスラエルとUAE(アラブ首長国連邦)などが国交を結んだ2020年の「 アブラハム合意 」以降、サウジとイスラエルの国交正常化は中東の新秩序形成の目玉的な要素でした。米国はサウジの求める防衛や民生用核技術での支援に応じ、支援を手にするサウジはパレスチナ国家樹立を要求しながらイスラエルとの国交正常化に向かい、米政権はイスラエルを関与させることでサウジ支援に反発する自国議会を説得する――イスラエル・ハマス紛争で頓挫したこの「三方良し」の構図をめぐって議論が活発化してきました。背景には、サウジ・イスラエルの国交正常化をテコにイスラエルを休戦に応じさせたい米国の思惑があると見られますが、それはサウジという中東の要を危うくすると米外交問題評議会(CFR)のスティーブン・A・クックは指摘します。 こうした米・サウジ関係からイスラエルを切り離せという声に対し、ジェイク・サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は英フィナンシャル・タイムズ紙で あくまでも三者協定を前提にすると主張 しました。アブラハム合意という昨年10月7日以前のメインテーマが、中東の行方を左右するものとして再び浮上しています。
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