比嘉大吾が引退表明、武居由樹と激闘し「やりきった。悔いはない」
9月3日(火)東京・有明アリーナにて行われた[WBO世界バンタム級タイトルマッチ 12回戦]では、同級王者の武居由樹(大橋)に同級1位の比嘉大吾(志成)がダウンを奪う大激闘も判定3-0(115-112、114-113×2)で惜敗。試合後の会見で「思い残すことはない」と引退を表明した。 【フォト】比嘉が武居からダウンを奪った瞬間、互いの流血の激闘も 比嘉は元WBC世界フライ級王者で15試合連続KO勝利数の日本記録を持つ。18年4月の3度目の世界防衛戦で体重超過で王座剥奪に。再び復活し今回の世界戦に漕ぎ着け、武居と激闘を展開したが、もう一歩届かなかった。 比嘉は会見で試合について「初めていい試合ができたんじゃないか。いつもは倒そう倒そうという殴り合いだが、今はやりきった感が強い」と作戦と駆け引きのボクシングができたと語った。武居については「サウスポーでガードの上からでもパンチが強い。バーンってなる。出どころも見えづらい」とし、11Rのダウンについては「左フックでダウンしてるなと思った。ダウン取れると思ってなかった。野木さん(トレーナー)が、左フックがカウンターで当たると」そして攻め込まれた12Rについては「効いてて動かなかった」と語った。 そして今後については「やりきったなと思います。楽しい10年間でした。世界戦決まって、復帰してからはやる気があったりなかったり、ドローもあって勝って負けて、それでも最後に見捨てずにやって世界戦まで組んでくれて、野木さんに感謝しています。世界戦が決まってからは2ヶ月やりきったと思った。競技人生にはやりきった、悔いもなし、それだけ。勝ったら次があるからがんばる、負けたら悔いなしが目標だったので吹っ切れた」と清々しく語った。 元々18年4月の体重超過で王座剥奪で「失敗してもうやめようと思いましたが、野木さんから絶対やりたくなる練習一緒にやろうってしつこく誘ってもらって。実はお金のためにやろうと思ったけど、やってるうちに無償でと思って、恩返しはチャンピオンになることだと思ったけど、それは実現できなかった」と話した。 野木トレーナーは「最後(12R)の指示は自分に勝ての一言だった。ぶっ倒しにいけともいったけどお前の最大の相手は比嘉大吾だぞと」と最後は自分に勝つことを伝えた。 そして野木トレーナーはここまで10年間、比嘉と会えてやってきて良かったと話し「大吾は愛されキャラ。選手が強くなる要因は指導者に好かれること。好かれないで強くなる選手は稀だと思う」とその愛される性格もここまで強くなった理由だと話した。 比嘉は引退後どうするのか。沖縄に生まれて良かったとも語った比嘉、沖縄を活かしていく仕事をしていくのかもしれない。今後にも期待したい。