トランプの言いなり安倍政権が米兵器を爆買いし、経団連に焦り【自民党と企業献金 蜜月の半世紀】#20
【自民党と企業献金 蜜月の半世紀】#20 政治のみこむ軍産複合体(6) ◇ ◇ ◇ 【一覧画像】企業・団体献金「廃止」を拒む組織内議員の実態…前回参院選直前には労組関連から5.3億円 安倍晋三政権は2014年4月、武器輸出3原則を廃止した。日本の軍需産業にとっては、武器の輸出は念願だ。国内企業は安倍政権で優遇されたことになる。 だが安倍政権にとって、最重要パートナーは米国だ。12年12月に第2次安倍政権が発足してからは、戦闘機など米国から大量に兵器を買い始める。13年度に1040億円だった購入額は、17年度には3倍以上の3791億円にまで膨らんだ。 米国からの兵器購入は、対外有償軍事援助(FMS)と呼ばれる契約に基づいて行われる。この契約の不平等な点は、兵器の価格を米政府が決めることだ。 例えばF35A戦闘機。1機あたりの価格は、12年で97億円だったのが、16年度には1.6倍の157億円にまで上昇している。 それにもかかわらず、日本政府は価格が上がった理由すらまともに把握していない。税金の使い方をチェックする会計検査院は、価格の上昇について次のように指摘している。 「合衆国政府に対して定量的に要因を確認する必要がある」 要は、「米国の言いなりになって日本の税金を無駄遣いするな」ということだ。
窮地を打開するため経団連が提言
米国からの兵器購入で、日本の軍需産業は打撃を受ける。典型的なのは三菱重工業だ。16年は4532億円だった受注額は、18年には半分以下の1949億円にまで減っている。自民党への献金額は、毎年3300万円で変わらない。 窮地を打開するため、経団連が乗り出す。18年6月、<新たな防衛計画の大綱・次期中期防衛力整備計画に向けて>という提言を発表する。 「今や国内の防衛生産・技術基盤は、根本から瓦解し、わが国の安全保障にも影響する危険を内包しているといっても過言ではない」 「競争関係にある海外企業と同様に、投資原資となる適正な利益が確保できるよう、わが国防衛産業に対して適切な政策支援を行い、企業自らの能力発揮を促すことを通じて、国内の防衛生産・技術基盤の効率化・強靱化を図り、ひいては将来的な国の安全保障の確保につなげていく必要がある」 経団連は、国内企業の生産体制が「根本から瓦解し安全保障に影響する」とまで言った。安倍政権を継承した岸田文雄は、国内の軍需産業に十二分に報いる政策を実行していく。=敬称略 (つづく) ▽渡辺周(Tansa 編集長) 日本テレビを経て2000年に朝日新聞入社。17年にワセダクロニクル(現Tansa)を創刊、電通と共同通信社の癒着を暴く「買われた記事」で、日本外国特派員協会「報道の自由推進賞」。寄付で運営し非営利独立を貫く。ご支援を!