国民の愛子さまへの期待はますます高まるばかり…日赤ご就職に際して文書で表現した自身の「皇室観」
天皇・皇后両陛下の長女愛子さまが、この春大学を卒業し、日本赤十字社に就職された。神道学者で皇室研究家の高森明勅さんは「敬宮殿下への国民の注目、好感度がますます高まっている一方で、国会では将来の安定的な皇位継承とはまったく無縁な、目先の皇族数の減少を抑えるだけの、後ろ向きで疑問だらけの2案を進めようとしている。国民が敬宮殿下に寄せる期待の高まりと、国民の代表機関であるはずの国会の空気感との隔絶に、目がくらみそうだ」という――。 【この記事の画像を見る】 ■高まる愛子さまへの好感度 このところ、天皇・皇后両陛下のご長女、敬宮(としのみや)(愛子内親王)殿下への国民の注目、好感度はますます高まっている。 敬宮殿下はこの春、学習院大学のご卒業と日本赤十字社への常勤の嘱託職員としてのご就職という、人生の大切な節目を迎えられた。これにともない、3月26日・27日に三重・奈良両県を訪れ、皇室の祖先神・天照大神を祀(まつ)る伊勢の神宮と初代の天皇とされる神武天皇の御陵に参拝された。 この時、現地では多くの人たちが詰めかけて殿下のお出ましを歓迎した。そこに集まった人々の表情は笑顔に満ち、あたかも「皇太子」をお迎えしたかのような盛り上がりだった。 2日目に奈良県にお移りになる前には、皇女などが天照大神にお仕えした“斎王”の歴史をたどる「斎宮歴史博物館」と「いつきのみや歴史体験館」にも立ち寄られている。これは、ご自身が令和におけるただお一方だけの「皇女」でいらっしゃることへの深いご自覚から、とくに希望されたコースだろう。 さらに4月10日にも、明治天皇の皇后でいらした昭憲皇太后の「百十年祭」に当たり、穏やかな春の日差しの中、明治天皇とともに昭憲皇太后をお祀りする明治神宮にお参りになられた。ここでも多くの人たちが殿下をお迎えした。 人々の前にお姿を現された敬宮殿下は、高貴かつ優美で、しかも親しみにあふれておられた。国民の間に、敬宮殿下への尊敬と共感の輪が広がるのは、自然なことだろう。 先頃、宮内庁が始めたインスタグラムも、たちまち100万人を超えるフォロワーを獲得した。これは宮内庁当局の予想以上の数字だった。その背景の一つに、敬宮殿下への関心の高さという要素も間違いなくあるはずだ。 ■誠実さとユーモアにあふれた記者会見 敬宮殿下はご成年を迎えられた時の記者会見で、国民に強い印象を与えられた。 品格と知性を兼ね備え、手元に用意された原稿に目を落とすことなく、ずっと記者の顔を見ながら答え続けられる誠実さと、温かみが伝わるユーモアに魅了された人も、少なくなかっただろう。 少しでも国民の自由に近い青春の日々を過ごせる、大学院へのご進学や海外へのご留学などが予想されていた中で、ためらいなく日赤へのご就職という選択をされたことも、人々を驚かせた。