日本男児が考案「シカケテガミ」 照れを克服、ラブレターを絵本で 近ごろ都に流行るもの
俳優やアスリートなどの有名人がパートナーに贈ったことをつづったSNSの発信も、広がりに拍車をかけた。直近の注文は月間2千冊以上にのぼる。
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男女別に商品を分けている理由は、「やはり、性差はあると思うから。男性は気持ちを伝えるのが苦手な傾向だが、女性は努力している人が多い。需要が一番多いのも女性から男性に向けてです」と浜本さん。
一方でLGBTQ(性的少数者)から、同性カップル用にアレンジしてほしいとの声も寄せられているが、現行商品の転用は行っていない。「僕がちゃんと理解した形で、当事者の方を巻き込んで作りたいんですよ。周りから理解を得られないこともある2人だからこそ、その思いをちゃんとストーリーに反映させたい。多様性との向き合い方って、すごく難しいとは思っているんですけど」
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浜本さんが作った冒頭のシカケテガミを妻に贈ることができたのは、娘の3歳の誕生日。旅先のホテルで。「恥ずかしいから娘に持たせて『ママに読んでもらいな』って。妻が目にした瞬間は見ていないんですけど、今もリビングの一角に飾られているので、うれしかったんだと思います」
人生の節目の記念日が、背中を押してくれた。
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「男は黙って…」とは、昭和の有名なCMのコピー。令和になっても日本男児の不器用さは健在だ。今は日本語版しかないシカケテガミだが、外国人にも利用されている一面もある。多寡はあってもシャイな人がいるのは世界共通。だからこそ伝わる真心もある。(重松明子)