資産運用を始める前に要チェック!「投資」と「投機」の違いを知ろう
NISAやiDeCoを始めるとき、「投資と投機の違いを知っておいた方がいい」とファイナンシャルプランナーのfumicoさんは著書『NISA&iDeCoはじめます! ファイナンシャルプランナーが教える正しいお金との向き合い方』(KADOKAWA)で主張しています。一体どういうことでしょうか? この理由を、fumicoさんと投資が気になっている新名彩さん、井出好海さんの2人との会話形式で紹介します。
「投資」と「投機」の違いを知ろう
井出さん「『数年先に使うことが確実なお金を、投資で準備するとマイナスになるかもしれない』っていう話でしたけど、NISAもiDeCoも何十年とスケールの大きい話ですよね。なんかこう、もうちょっとサクッと短期間で、ドカッと大金が入りませんかね……?」 新名さん「そんな美味しい話はだいたい危険じゃないかな……?」 fumicoさん「新名さんの今の指摘は大切だと思います。お2人は『投資』と『投機』という言葉の意味が全く違うことを、ご存じですか?」 井出さん「読みは似てますけど……どちらも似たような意味ではないんですか?」 fumicoさん「確かに似たような意味で使われてしまうこともありますが、下のように大きく意味が違うんです」 投資…長期的に資金を投じ、成長の果実を得るもの 投機…短期的な値動きから儲け・利益を得ようとするもの 新名さん「短期で考えるか、長期で考えるかというところですか?」 fumicoさん「そこが大きな違いです。投資は長い目で見て成長を期待できるものに自分のお金を投じます。一方で、投機は目先の利益を追うもので、一か八かのギャンブルと似ています。偶然、利益を得ることができたとしても、次も同じようにうまくいくとは限りません。特に投資初心者の場合、無策で投機に走ることはとても危険です」
投機には注意が必要
井出さん「ヘタに賭けに出てはいけないということか~やっぱり美味しい話はないんだね。トホホ」 fumicoさん「残念ながらそれが世の常ですね……。また、投資は投資先の成長に従って自分にも利益が出ますから、『投資先を育てる』という役割を担うことにもなります」 新名さん「具体的には投機ってどういうものを指すんですか?」 fumicoさん「値動きが激しいもの、短期間で儲けようとするもので、FXや暗号資産(仮想通貨)などが代表といわれますね。また、株式投資もいわゆるデイトレードのような形で短期売買を行うのは投機に近いです」 井出さん「FXで何億円も損して波乱万丈な人生を送った人のドキュメンタリーを見ました。怖ろしかった……」 fumicoさん「NISAやiDeCoの場合、投機的な商品は基本的に購入できませんが、少し慣れてきた頃に『ドカンと増やしたい!』と投機的な気持ちを持つ人もいますので、注意が必要です」 井出さん「……肝に銘じておきます!」 fumico ファイナンシャルプランナー
FP fumico
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