「東洋の魔女」ら体力測定 64年五輪代表、8年ぶり実施
日本スポーツ協会(JSPO)は、後期高齢者となった1964年東京五輪代表を対象に体力測定を実施した。 「東洋の魔女」と呼ばれたバレーボール女子の金メダリストらも参加し、測定員らを驚かせる場面もあった。 国立スポーツ科学センターとの共同研究で、68年から原則4年ごとに実施。コロナ禍だった前回2020年はアンケート調査のみで、体力測定は8年ぶりだった。6日間の日程で、14競技から平均年齢82.5歳の約60人が参加。握力測定や長座体前屈、片足立ちなどで体力の変化を調べた。 東洋の魔女で最年少の田村(旧姓篠崎)洋子さん(79)は目を開けた状態の片足立ちを2分近く続け、「(昔から)下半身は強くて、今もそのまま」と笑った。現役時代は猛練習を重ねていたが、現在は60代以上の人たちと楽しくバレーボールをしているという。体力の衰えを実感しており「疲れたら休む。無理は禁物」と自らを戒めた。 主力だった中島(旧姓半田)百合子さん(84)は、神田(旧姓松村)好子さん(82)と近畿地方から上京。約7年前にプールでのウオーキングを始めてから体調が良く、歯は30本も残っているという。「最低限の体力がないと不安になる。そういう意味では幸せ」と明るく話した。 これまでの調査で、64年東京五輪代表は引退後も運動習慣を保っている人が多く、一般の同年代に比べて高血圧や糖尿病などの罹患(りかん)率が低いことが分かっている。JSPOは年度末をめどに報告書をまとめる方針で、スポーツ医・科学委員長の川原貴さんは「若い時に運動をする意義が、より明らかになるのではないか」と述べた。