<速報>パッキャオ、“引退試合”で2度ダウンを奪い大差判定勝利!
アジアの英雄、パッキャオには、リング外で逆風も吹いていた。同性愛への差別発言で、ナイキ社からスポンサードを切られ、社会的にも批判を受けて、謝罪するという騒動も起こした。5月にはフィリピンの上院選挙に立候補を予定しているため、この試合が選挙運動になるのではないか、の異議が反対陣営からあり、フィリピンでの試合放映が制限される声まであった(結果的に放映制限はなかった)。だが、それらの逆風をものともせず、“ラストファイト”で、これまで世界を魅了した一発の“名残り”を見せつけた。 試合後、パッキャオは、リング上で改めて引退を表明した。 「これは最後の一戦。ブラッドリーはタフだった。これまでの2試合とはまったく違っていた。なんとか生き残れた。相手がカウンターを狙っていたが、倒したのはカウンターとアッパー。プランどおりだった」 ーーこの試合が最後になるのですか? 「フィジカル的にはまだできるが、判断した。フィリピン国民のためにやめる」 ーー判断とは?引退ですか? 「引退します」 一方、敗れたブラッドリーは、「よくわからない。現実じゃないみたいだ。どれだけ強いパンチをくらったか、よくわかっていない。彼は、ハードでクイックなファイターだった。パッキャオは素晴らしかった。私よりもスピードがあったし強かった。勝者にふさわしかった。私は試合を続けるが」と、勝者を称えた。 パッキャオは、引退を明らかにしたが、プロモーターのボブ・アラム氏は、ずっと引退という言葉を意識的に使っておらず、パッキャオの引退には、懐疑的な声も現地では多い。こちらも再起の噂があるメイウェザーとの再戦、人気、実力共に急上昇中のホープ、WBO世界スーパーライト級王者、テレンス・クロフォード(28歳、米国)との世代交代マッチの実現なども、まことしやかにささやかれている。