人気絶頂のラグビーTLも16試合の延期決定…懸念されるW杯効果への影響
新型コロナウイルスの感染拡大は、集客数が増加していたラグビー界にも影響を及ぼした。日本ラグビー協会(JRFU)は26日、国内トップリーグの第7節(2月29日、3月1日)、第8節(3月7日、8日)の計16試合を延期することを発表した。 同リーグの太田治チェアマンは決断理由をこう説明した。 「JRFUとしましては危機管理チームを立ち上げ、情報収集をおこなってきた。そのなかで状況が変わって、その都度、集まり、どうするかといった話をしました。専門家会議による指針が出たところから具体的な検討をしまして、またJリーグさんなど他競技の方針を収集したうえでの判断となりました。チームからは社会情勢もありやむを得ないという声が多い」 トップリーグ側はもともと、「危機感をあおることで社会が混乱すること(側面)もある」と中止や延期に後ろ向きだった。 しかし、2月24日に発表された新型コロナウイルス感染症対策専門家会議による「この1~2週間の動向が、国内で急速に感染が拡大するかどうかの瀬戸際である」という見解、3月15日までの公式戦を延期するとしたサッカーJリーグの決定などを受けて25日、方向転換した。そこで考慮された選択肢は延期、無観客試合、中止の3つ。 太田氏は「我々はバイウィーク(試合をおこなわない週)を設けていまして、何かあった場合はそちらで対応する準備をしていました。(バイウィークの)会場の確保もできると(いう結論に)至ったので、延期としました」。その言葉通り、トップリーグのバイウィーク未消化分は3月21、22日、5月2、3日に残っており、延期となった第7、8節はそのタイミングで実施することになった。 リーグ再開の時期は、「3月9日あたり」にその時の状況を踏まえて議論される様子。3月14、15日の第9節以降で当該日の試合開催が難しくなった場合は「多分、中止にせざるを得ないのではないか」と太田氏。トップリーグ上位4強による日本選手権は、NHKとの共催という形で5月下旬に実施される。太田氏はこう続けた。 「お尻が決まっている以上、その辺(これ以上の延期など)は難しいんじゃないか」 では、16試合の延期による影響はあるのだろうか。気がかりとなるのは、今回の決定が及ぼす経済面、人気面での打撃だ。