たしか最後のマークIIの兄弟よね? 不思議顔のヴェロッサって中途半端じゃない??
皆さんはヴェロッサを覚えているだろうか。マークIIの兄弟車として後釜を引き継いだ由緒あるクルマなのだが、何故か知名度が低い気がする。しかしこのクルマには、当時のトヨタ開発陣が新時代のセダンの命運託したと言っても過言じゃない程、「仕上がっていた」クルマだった。 【画像ギャラリー】今見るとアリじゃない!?兄弟のマークIIと全然違う超個性派顔がイイ!!ヴェロッサの全貌がコレ(16枚) 文:小鮒康一/写真:トヨタ
■「エモーショナル セダン」を開発テーマとしたヴェロッサ
今ではすっかり不人気ジャンルのひとつになってしまった感のあるセダンだが、90年代中盤ごろまではカローラが不動の販売台数ランキングトップで、ミドルクラスセダンのマークIIがそこに続くという状態が続いていた。 そんなマークIIも時代の流れには逆らえず、9代目モデルを最後にイメージを刷新しようとしたマークXにバトンタッチをすることになるのだが、そんな9代目マークIIは長らく続いたマークII、チェイサー、クレスタの3兄弟体制をやめ、あらたに「ヴェロッサ」という兄弟車を置くことになった。 2000年10月に登場したマークIIに遅れることおよそ9カ月後に登場したヴェロッサは、実質的にはチェイサーとクレスタの後継車種であった。 チェイサーのスポーティさとクレスタの高級パーソナルセダンというキャラクターを併せ持つモデルとし、「エモーショナル セダン」を開発テーマに誕生した。
■マークよりもよりスポ―ティな仕上がり
プラットフォームはマークIIと共通であったため、搭載されるエンジンは直列6気筒の2L、2.5L、2.5Lターボで、前後ダブルウィッシュボーン式のサスペンションなど、基本メカニズムは同一だったが、足回りはマークIIよりも固められたスポーティなものが与えられていた。 そしてデザインにおいては非常にエモーショナルなイタリアンデザインを採用し、メーカー曰く「塊から削り出した彫刻のように堀の深い面とやわらかな曲線による情感溢れるデザイン」となっていた。 さらにインパネもマークIIとは異なるデザインで、楕円をモチーフとした4つの立体的レジスターとスモークメッキリングにより個性を強調。 そして室内照明色を赤色で統一し、情感とスポーティ感を強く演出していたのも特徴だった。