吉田拓郎さん「岡本氏と僕の無言の共通テーマは『逢いたい』でした」 「襟裳岬」などの作詞家・岡本おさみさんの功績たたえ、地元に音楽記念碑が完成 鳥取・米子市
米子市出身の作詞家岡本おさみさん(1942~2015年)の功績を語り継ぐ音楽記念碑が完成した。碑に刻まれた代表作「旅の宿」の作曲、歌でコンビを組んだ吉田拓郎さんがメッセージを寄せ、全国から集まったファンら100人が「フォークソングの聖地」の誕生を祝った。 【写真】岡本おさみさんの音楽記念碑が完成 在りし日の岡本さん
岡本さんは、吉田さんが作曲して森進一さんが歌った「襟裳岬」など、数々の名曲で知られる。碑は無償提供された市有地に、地元有志らでつくる「岡本おさみさんを語る会」が寄付を募り、全国から集まった約400万円で建てられた。 見開きの本を立てた形の高さ1・8メートル、幅2メートルで、前面の右に、岡本さんの言葉「日々の暮らしを唄う」が掲げられ、左に「浴衣のきみはすすきの簪(かんざし)」で始まる「旅の宿」の歌詞が刻まれている。 11月30日に市公会堂前(角盤町2丁目)であった除幕式には長男邦彦さん(54)も東京から駆けつけた。語る会の長谷川泰二会長(78)は「詞の随所に青春時代を過ごした米子がある。全国から来てもらいたいし、会として若い人の音楽活動を応援していきたい」とあいさつ。 吉田さんはメッセージで「岡本氏と僕の無言の共通テーマは『逢いたい』でした」とし、自身と同じように「生まれ育った地」に思いをはせながら詞を書いた岡本さんにとって、その地は「永遠なのではないでしょうか」と結んだ。
碑の除幕に続き、旅の宿を含む3曲のギターの生演奏もあり、皆で口ずさんで完成を祝った。市内で語る会主催のライブイベント「歌う夕べ」もあった。