激戦の果てに見えてきた“時代の転換点”「Double Dutch Delight Japan 2024」Report
そして栄えある優勝に輝き、トロフィーを掲げたのはEast地区「東京大学 D-act」より『NoA-NoA』!! これまたコミカルそしてファニーな動きの中に、個々の技とパーソナリティが光る。「他との差別化を意識した」と本人たちが述懐するショーは、単なる技の“火力”で勝負するだけでない、メンバーのあらゆる特徴を投影させたものに。 クスッと笑うような演出の次の瞬間、高い精度の技でどよめきが起こる、ジェットコースターのようなショーケース。感情をスリリングに大きく揺さぶりながらも、部門内唯一のノーミスでパフォーマンスを締め括り、堂々たる一位に! 全体的にも“関西勢”の躍進が目覚ましいなか、関東勢の底力を見せる形となったNoA-NoA。来年のJapan大会も引き続き関東地区にて開催されることとなった。 なお、NoA-NoAの選手たちへのインタビューが本記事の末尾に掲載されている。“ジャイアントキリング”を果たした彼らの、今大会に挑むまでの驚きの背景やショー制作の過程を是非ともご一読いただきたい。
もう「なのに」の時代ではない
審査員も大会後の総評で述べていたように、今大会は女性プレイヤーの躍進を一際感じる回であったように思う。 また、高校以前からダブルダッチに触れている“経験者”たちがシーンで活躍を見せる一方、今回優勝した『NoA-NoA』はチームの半数以上が、3位の『SHOWMEN TOPPER’s』に至ってはチーム全員が“未経験者”というのも大きな特徴だ。 「女性なのに」パワフルな技で勝負を挑む、「未経験者なのに」大会で成績を残す……。“常識”を破壊した先にある時代の変容が、新しい景色のダブルダッチシーンを切り拓きつつある今──もう「なのに」の時代ではないのだ。 そんななか、Double Dutch Delight Japanは来年、記念すべき20周年大会を迎える。ダブルダッチ、ストリートシーンが揺れ動く今。私たちが次に目の当たりにする景色は、一体どのようなものなのだろうか。 波乱の結末を迎えた2024シーズン。Delightは幕を下ろし、NY行きの切符を掴んだ選手たちの戦いは続いていく。しかし、次のDelightに向けた戦いは、もう始まっているのかも知れない──。