【パラリンピック】県勢の活躍を励みに(9月14日)
パラリンピック・パリ大会は12日間の熱戦の幕を閉じた。本県勢は金、銀各1、銅2の過去最多の四つのメダルを獲得した。世界を舞台にした選手の健闘を弾みに、県内の障害者スポーツが一段と盛り上がるよう期待したい。 本県関係では、陸上女子400メートル(視覚障害T13)の佐々木真菜=福島市=、陸上女子砲丸投げ(上肢障害F46)の斎藤由希子=福島市=、車いすラグビーの橋本勝也=三春町=、車いすバスケットボール女子の石川優衣=郡山市生まれ=、ボッチャの遠藤裕美=福島市=、柔道女子48キロ級(全盲)の半谷静香=いわき市出身=の6選手が出場した。 橋本選手は、3年前の東京大会で銅メダルだった悔しさを糧にチームの大黒柱に成長した。チーム最年少ながら、決勝までの5試合で最多の79得点を挙げ、無敗で頂点の立役者になった。4大会連続出場の半谷選手は、右膝の大けがを乗り越えて初の銀メダルを手にした。ボッチャの遠藤選手は、高い技術と集中力で個人と団体で二つの銅メダルに輝いた。
県民栄誉賞が贈られる橋本選手をはじめ、本県関係選手の懸命にプレーする姿は県民に大きな希望と感動を与えたはずだ。 パラリンピックには、陸上や水泳のように一般的な競技のほか、車いすラグビー、ボッチャといった独特の競技もある。このうち重度の脳性まひ者ら向けにヨーロッパで考案されたボッチャは、障害の有無にかかわらず、誰でも一緒に楽しめるのが魅力の一つだ。障害者と健常者の交流のきっかけづくりに積極的に生かしたい。 福島、白河両市は2021(令和3)年、日本ボッチャ協会とそれぞれ協定を結んでいる。福島市は、協会から寄贈された用具を市内のスポーツ施設などに配備している。白河市は、日本代表と市民の交流イベントを開くなどして普及活動を進めている。両市の取り組みは県内市町村の参考になる。 県は初のボッチャの県大会を12月に福島市で開く。優勝チームは来年3月開催予定の全国大会への出場権が得られる。パリの熱気を持続させるためにも、県民ぐるみで障害者スポーツに参加、協力していきたい。(神野誠)