スリランカ観光事情、インド人と中国人とロシア人
中国人団体旅行は過密スケジュールの弾丸ツアー
11月30日。キャンディーの世界遺産“仏歯寺”はスリランカ屈指の観光名所。観光バスが道の両側に並んでいるが大型観光バスはほぼ全て中国製だ。中国金龍汽車の新しいバスのフロントガラスに上海●●様ご一行と中国語の案内板。運転手によると中国人観光客はガイドが仏歯寺を案内中という。 運転手はコロンボ空港で一行12人を乗せてから9日間の日程でスリランカを一周してコロンボ空港へ送り届けるという。毎日バスで移動して名所旧跡、世界遺産、レストラン、土産物屋、夜のイベントと過密スケジュール消化のため時間通り走らなければならないので神経は使うし体力的にも疲れると運転手は嘆いた。 通常中国人の団体旅行は旅行代理店が現地の中国人経営のホテル、レストラン、土産物屋、バス会社を手配して三食全て中華料理。つまり中国系業者だけでツアーが完結する。旅行会社は現地業者からリベートを徴収し持ちつ持たれつの関係。従って旅行会社はリベート稼ぎのためになんでもかんでも詰め込んでタイトな旅程を作る。 この上海●●様一行の旅程表にもシーギリヤ・ロック、ダンブッラ石窟寺院などの世界遺産見学、ホエールウォッチング、キャンディー民族舞踊鑑賞などが連日ぎっしりと詰め込まれていた。
中国人はダイビング・ショップの上得意
12月24日。スリランカ随一のビーチ・リゾートであるヒッカドウアの大手ダイビング・ショップのオーナーは開業30年の業界通。スリランカ北東部海岸は3~9月がダイビング・シーズン。ヒッカドウアのある南西部海岸は11~4月がシーズン。オーナーは両方にショップを持ち通年営業している。 オーナーによるとコロナ以前は10人~20人くらいの中国人グループダイバーが数日から一週間程度滞在していたと。当時は中国人グループの予約でスケジュール表がどんどん埋まっていった。2023年秋から中国人ダイバーが戻って来たので2024年以降は最盛期のように中国各地からのグループで賑わうと期待した。 中国人ダイバーはバリ島やプーケットなど東南アジアでライセンスを取得してダイビングの基礎ができているし英語が通じて金払いも良いので上得意という。またウェットスーツ、水中眼鏡、フィンなど自前の高価な欧米ブランド品を持参してくるダイバーが多いと。 他方で最近増えたのがインド人客だが大半はダイブ経験のない初心者。しかもほとんど泳げない客も多いとオーナーは苦笑。当日もインド人の若者グループが浅いところでインストラクターについて基礎を習っていた。 ちなみに十数年前は日本人グループダイバーが上得意だったが最近はほとんど見かけないと。どうもダイビングでも日本は中国に抜かれたようだ。