小中学校で関心集める「学びの共同体」 生徒同士が教え合い、高度な課題に挑む 教員は見守るスタイル「一人も独りになっていないところが一番」
神根中ではルールを設け学習に取り組む。教員側は「生徒を放置しない、生徒と生徒をつなぐ。教師からすぐ教えない。仲間に尋ねるように促す」など。生徒は「まず自分で考え、分からない点を友達に聞く。分からないときに『教えて』と聞く。聞かれた生徒は、聞いた生徒が分かるまで教える」。 ■生徒、教諭に手応え 従来のグループ学習で、一部の生徒が司会を務めたり、グループ内で活発な議論を促すことはない。あくまで相互の自主的な学び合いを尊重し、私語はせず、小さな声で話すことを求める。だから教室内の至る所で、つぶやきやぼそぼそが続く。 同校3年の池田椿さん、吉沢虎之介さんは、入学時から「学びの共同体」を経験。「入学直後は緊張とかあったけど、自然と普段の生活で仲が深まった。分かってもらうように教えることでこっちが分かることが多い。先生に聞くとなると緊張するけれど、いつも話している友達に聞くことができる。授業の時間の中で聞くことができるのが良い」など感想を話した。
同校の松村一人校長は「一人も独りになっていないというところが一番うれしい。基本的には個人で課題に向かっているが、詰まったところで聞く。教え合いではなく学び合い。初めの一歩は聞くこと。生徒同士の人間関係が絶対よくなる」と手応えを感じている。