傾斜やポールで速度抑制、大内小周辺の市道で県内初のゾーン30プラス【山口】
車両の最高速度を30㌔に規制する区間「ゾーン30」の道路に傾斜やポールを設置して物理的に速度を抑制し、交通事故防止を図る「ゾーン30プラス」の運用が、山口市の大内小周辺の市道で始まった。市と県警の連携によるもので、県内では初の取り組み。 2021年に千葉県八街(やちまた)市で児童5人が死傷した事故を契機に全国的に導入が進められている。 県道21号山口防府線から同校へ入る市道の交差点と氷上橋付近の三差路の交差点に路面標示と看板を設置し、ゾーン入口であることを表示。氷上橋付近の交差点は路面を10㌢程盛り上げる斜面「ハンプ」とえんじ色の塗装を組み合わせた「スムーズ横断歩道」を設けた。斜面により速度を上げにくくし、歩行部分を高くすることで児童と車両双方が互いを見やすくしている。同校の校門付近にもハンプ単独を備えた。 ローソン大内氷上2丁目店―氷上橋の約500㍍の道路には車両走行部分を狭くするポールを2カ所計4本整備。同橋―同校の市道の合流地点にも1本を置いた。 同校周辺の市道は狭い道幅に対して交通量が多く、県道への抜け道となっている。氷上橋周辺は事故も多いという。澄川昌男校長は「集団登校やまもり隊の活動を通じて、事故防止を図ってきたが、具体的な整備をしてもらえることは児童の安全にとってありがたい」と語った。交通指導員として36年間、通学を見守る谷口幡平さん(78)も「長年、児童にとって危ない道だと思ってきた。ハンプの坂による減速をはじめ、どの措置も効果的」と話した。 県内ではゾーン30が48カ所ある。県警はプラスへの移行や新設を検討している。