「息子さんも役者だったとは」と話題。51歳の朝ドラ俳優が見せた“リアル息子”との「おもろい関係性」
さりげなく息子を紹介
渋谷「ユーロライブ」で行われた公演。それまでカメラの前でおどけていた岡部が開演直前の楽屋では、いきなり無口になる。ベテランでも本番はしっかり緊張することをカメラの前で伝えてくれる。 俳優のこういう姿には好感しかない。好感というと、稽古中に岡部と岩谷の芝居を側で見守る男性がもうひとり。カメラにちらっと写り込むと、岡部がすかさず「息子」と紹介する。 いやいや岡部さん、さりげない(!)。父が息子を紹介することに余念がないのは当然のことだけれど、それがなぜかあからさまに見えない。むしろ自然な流れの中でさりげなく見えてしまう。
俳優父子の関係性
劇団の制作でも担当しているのかと思ったら、息子・岡部ひろきもまた俳優。父に密着するのが『情熱大陸』のカメラだとしても変に構えることもない。そりゃ息子をプッシュするいい機会だよなと思うのだが、これがびっくりするくらいそういう雰囲気がない。 あえていうなら、劇団の先輩後輩というか、同僚みたいな関係性に見える。関係性としては父と子だけれど、芝居について考える仲としては上下がまったくない。 この俳優父子にもまた「おもろい」精神が垣間見える。番組内で印象的だったのは、山内ケンジ作・演出の舞台『萎れた花の弁明』で、岡部と息子・ひろきが作中でも父子を演じる稽古中の場面だ。
23歳で貫禄がある岡部ひろき
息子が好きな同級生。実は父と交際していたとわかる場面。まぁそういうことなんだよとあっけらかんとする父に対して、息子が「かあ」という音を発する。 これが感嘆の「かあ」なのかなんなのか、休憩時間に岡部父子と岩谷がああでもないこうでもないと話し合う。画面上に3人の姿は写らない。真っ暗な外。声だけによる演技談義が、徹底的におもろい。 ほんと岡部父子が気心の知れた同僚にしか見えない。父からの助言という感じがない。ああいいじゃん。それくらいの空気感。父を爆笑させる「かあ」を最終的に絞り出した岡部ひろきは、現在23歳でこの貫禄と味わい深さだ。 <文/加賀谷健> 【加賀谷健】 音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu
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