「現代の名工」にバーテンダーの平野祐さん 巧みなシェーク評価
卓越した技能を持つ「現代の名工」が厚生労働省から発表され、和歌山県内から和歌山市のバーテンダー平野祐(たすく)さん(58)が選ばれた。「酒などの特徴を見分け、巧みなシェークでおいしさのピークを判断する技能に優れている」と評価された。 【写真】バーテンダー・平野祐さん=2024年11月14日、和歌山市楠右衛門小路、寺沢尚晃撮影 平野さんは1994年、同市楠右衛門小路で「Bar TENDER(テンダー)」を開店し、技を高めてきた。定番のカクテルから、「こんなものを」といった客のリクエストに応じたものまで。平野さんの技を楽しみに、県外からも客が訪ねてくる。 一方で、日本バーテンダー協会県支部長として業界の発展にも尽力。有田市ではミカンジュースの味や香りを確かめる「官能審査」に携わるなど、フルーツの知識も豊富だ。 平野さんがカクテルをつくる際には、酒とフルーツの組み合わせを踏まえつつ、シェークで氷の解け具合を判断し、最もおいしいと感じられる温度で提供することを考える。「強さや時間を考えながらシェークしている」という。 平野さんの後任の支部長になった「サウスウエストカフェ」(和歌山市)の小山よしおさん(55)は「平野さんとともにフルーツカクテルの普及を目指してきた。表彰を誇りに思う」と喜んだ。 和歌山のカクテルには可能性がある、と話す平野さん。「フルーツに恵まれ、リゾート地でもある。おいしいカクテルが、もっと親しまれていい」。そのために、今後も技を磨いていくつもりだ。(寺沢尚晃)
朝日新聞社