主に小さな子どもが発症する「手足口病」、手足や口の中に発疹が出るウイルス性の感染症です。例年、流行のピークは夏ですが、2024年は秋にも再び感染が拡大しています。なかには夏と秋で2回かかる人もいるといいます。いったいなぜなのでしょうか？ 松江市にある、うえだ内科ファミリークリニック・柴田副院長に取材をしました。 うえだ内科ファミリークリニック小児担当・柴田直昭副院長： 土曜日に発疹が出たんだな。 この日診察に訪れたのは、1歳の男の子。 うえだ内科ファミリークリニック小児担当・柴田直昭副院長： お熱は出なかったのかな？ 1歳の男の子の母親： はい。熱は出なかったですけど、今計ったら38.8度あって…。 手足口病と診断されました。口の中を中心に発疹が出ていて…。 うえだ内科ファミリークリニック小児担当・柴田直昭副院長： ご飯はどうかな？ 1歳の男の子の母親： ご飯が全然・・・。 うえだ内科ファミリークリニック小児担当・柴田直昭副院長： そうだよね、食欲もなしで。 1歳の男の子： うえ～ん。 手足口病は主に小さな子どもが感染し、手や足、口の中などに水ぶくれのような発疹ができるウイルス性の感染症です。まれに脳炎を起こし、重症化するおそれもあります。流行期は例年夏場で、7月あたりを境にピークは収まりますが、2024年は異例の流行状況にあります。島根・鳥取両県の1医療機関あたりの患者数をみると、例年通り夏に一度感染が拡大しましたが、8月中旬にはピークアウト。そのまま収まるかと思いきや、9月以降、流行期が再来しているのが分かります。 Ｑ、「年2回の流行は例年ある？」の質問に対し柴田副院長は…。 うえだ内科ファミリークリニック小児担当・柴田直昭副院長： あまり経験しないですけどね。多分（夏に流行ったのと）ウイルスの型が違うんだと思います。7月にかかってまた9月にかかると、2回かかる方も多い。 なかには2か月半のうちに2回感染する子どもも…。柴田副院長によると、再流行の原因は連日の猛暑の影響で、9月以降も水遊びをする機会が多かったことなどが考えられるといいます。手足口病で特に心配なこととは…。 うえだ内科ファミリークリニック小児担当・柴田直昭副院長： 口の中に出てしまうと、ご飯が食べにくくなるので、やはり脱水には注意が必要になります。症状のピークは2～3日だと思うけど、その間は脱水にならないように、こまめに水分を取ったりして家庭でのケアをしてもらえたら。 発疹自体は、1週間くらいでかさぶたになり収束するといいます。手足口病の感染経路は飛沫や接触などのため、手洗いなど基本的な感染対策が重要です。 手足口病は、大人もかかる可能性があります。大人がかかると、のどの激痛や発疹と、子どもより重症化しやすいので要注意です。 登園制限のかかる感染症ではないため、保育園などに行っても問題はありません。 ただし、ウイルスが体内に残ったまま保育園に戻ると、感染リスクも高まることから症状など、判断に悩むときは医師に相談するよう呼びかけています。