東京一極集中が加速!? 万博のウラで音楽関係者が危機感…ライブの“大阪飛ばし”の現実味
機材やスタッフの移動費問題
また、関西では、機材やスタッフの移動費の問題も抱えている。 「ライブスタッフ数十人の移動費と宿泊費、さらに機材運搬費がかかるので、関西で東京の1万人動員と同等の収益を上げようとすると実動1万3000人程度が見込める会場でないと難しいでしょう。名古屋であれば東京への日帰りも可能なので宿泊費を浮かせられますが、関西では前泊から2泊を要します」(前出の担当者) ライブエンタメの現場の視点からは、関西で進行中のハコモノ計画は中途半端に映る。 「海外では大型アリーナは2万人動員クラスが標準になっています。それでも首都圏では見込める動員数に応じて会場を選べますが、関西では1万人収容サイズで頭打ちです。関東と関西で同じ収容力の会場を使うなら、移動費がかかる関西で公演をするメリットが薄く、せっかく建てたハコの稼働率が落ちてしまいかねません」(前出の担当者) 首都圏に続々建てられる新しいアリーナを見ていると業界の景気は良さそうに見えるが、“ライブの東京一極集中”という問題も浮上している。大阪・関西万博を控え、関西のデベロッパーや行政も威勢よくハコモノ整備に意気込むが、エンタメ業界の声に応えきれているだろうか。 デイリー新潮編集部
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