長男が理系学部に入りました。大学院まで進みたいそうですが、トータルの学費はいくらかかるのでしょうか?
理系の大学院は専門的な知識や技術が身につくだけでなく、文系が多い総合職とは別に、技術職として就職できる企業が増えるといったメリットがあります。特に研究職に就くには、大学院での研究経験が必須条件になっていることが多いです。 子どもの将来の選択肢を広げる大きな機会になることは間違いありませんが、お金の負担が少なからず大きくなるのが現実です。しかし、子どもが自分で決めた道を、親は何としてでも後押ししてあげたいと思うのでしょう。 本記事では、国立と私立の大学院の各学費を始め、2024年から始まった大学院の授業料後払い制度についても合わせて紹介します。子どもが2024年度から大学院を志望している方はぜひ参考にしてみてください。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
大学院の「修士課程」と「博士課程」
大学院には修士課程と博士課程があります。学部を卒業した後、就職せずに研究をしたい方は2年間(最大4年)の大学院の修士課程(博士前期課程)へ進み、修了時に「修士」の学位が授与されます。 さらに高度な研究を追求したい方は3年(最大6年)の博士課程(博士後期課程)へ進み、修了すると「博士」の学位が授与されます。博士前期課程へ進むには、「学士」の学位の取得が必要で、博士後期課程へ進むには、「修士」の学位の取得が必要です。なお、学部卒業後に入学できる5年一貫の博士課程もあります。
国立大学院の学費
文部科学省令の「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」によって定められた国立大学院の授業料と入学料と検定料の標準額を表1にまとめました。 国立大学の学部と大学院を比べてみると、1年間の授業料と入学料の標準額はほぼ同じです。国立大学院の博士前期課程(2年制)に進む場合は約139万円かかります。 さらに博士後期課程(3年制)に進む場合はプラスで約192万円です。大学院はトータルで約332万円かかることを頭に入れて考えておくとよいでしょう。また、研究費用や生活費などの諸経費も発生しますので、余裕は必要です。