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意外と気がつかない「漢字間違い」、「文章を正しく整える方法」を知っていますか

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現代ビジネス

誰もが発信者に

写真提供: 現代ビジネス

　昨年1月に発表された、NTTドコモ　モバイル社会研究所による、スマホ・ケータイ所有者のSNS利用動向についての調査によると、LINEの利用率は 83.7％、Twitter(現・X)は43.2％、Instagramは39.9％、Facebookは24.7％となりました。 【マンガ】外国人が初めて出来立てサクサクのとんかつを食べてみた 　誰もが発信者となる今の時代、文章のクオリティおよび正確さを保つことは喫緊の課題となっています。そして、その正確さを担保するための有用な技術が「校閲」です。

「校閲」ってどんな仕事？

　校閲とは、誤字脱字など表記のチェックのほか、内容の矛盾や誤りがないかどうかも、調べて確認すること。「校正」も似たような意味で用いられることがありますが、厳密にいえば、校正は調べる要素を含みません。 　この「校閲」を専門として、日々仕事に励んでいるのが「校閲者」たちです。テレビドラマやドキュメンタリー番組のおかげで、この仕事の認知度は大幅にアップしていますが、実際に校閲者たちはどんな仕事をしているのでしょうか。

「校閲」に挑戦（１）

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　例えば、以下のような一文があったとします。 　「金属を研磨するときに出る素粒子を吸い取るためのバキュームです」 　この文章にある誤りを見つけることができるでしょうか。 　正しくは以下のようになります。 　「金属を研磨するときに出る粗(粗大)粒子を除去するためのバキュームです」 　「素粒子」は物質を構成する最小の単位で、それ以上細かく分けられないもの(デジタル大辞泉より)。バキュームで吸い取るのはもっと大きな単位の、目に見えるような金属くずでは……？　 　この一文を見てそこに気づけた方は、校閲者の素養がありますね。 　ここでは「粗い」粒子の意味で「粗粒子」あるいは「粗大粒子」とするのが適当でしょう。

「校閲」に挑戦（２）

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　また、以下のような一文があったとします。 　「回鍋肉(ホイコーロー)にちょっと豆鼓(トウチ)を加えると、味に深みが出るんですよ」 　この文章はどこが誤っているのでしょうか。 　正しくは以下のようになります。 　「回鍋肉(ホイコーロー)にちょっと豆豉(トウチ)を加えると、味に深みが出るんですよ」 　「豆豉」は黒豆や大豆を粒ごと発酵させた調味料。 　浜納豆に似た風味や香りがあります。「豆鼓」という誤記が非常に多いですが、豆を発酵させたものですから、豆偏(まめへん)が正しい表記です。 　「鼓」「豉」、形がたいへんよく似ていますね。パッと見るだけだと字形類似を見逃してしまいがち。言葉や文字は「読む」というより「分解する」くらいにじっと集中して見ることが大事です。

一字一字を丁寧に

　知っているはずの単語でももう一度意味を調べ直すこと、「読む」のではなくて字の形をじっと集中して見ること、一字一字を丁寧に追うこと。校閲者たちはこのような地道な作業を積み重ねて、文章の誤りを見つけていきます。 　SNSに文章を投稿するとき、チラシや案内状を作成するときなど、いったん立ち止まって校閲者のように丁寧にチェックすることを心がけると、誤字脱字をぐんと減らすことができますよ。

講談社校閲部

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