古民家再生・昔ながらの土間が復活! 鹿児島県・霧島市
鹿児島テレビ
鹿児島県霧島市横川町で進む古民家の再生について以前、KTSライブニュースでお伝えしました。 今回はその続き、昔ながらの土でできた土間、三和土をワークショップを通して再生するまでの様子を取材しました。 霧島市横川町にある国の登録有形文化財「池田家住宅」。 明治末期の歴史的建築物で、近くで古民家カフェ兼宿泊施設を営なむ移住者の白水梨恵さんが中心となって2023年の年末から本格的なリノベーションに取り組んでいます。 あれから5カ月。 改修中の建物の中から聞こえてくるのは… 建築士 徳永功一郎さん 「『たたき』といって、黒土と石灰とにがりを混ぜて敷いていき、とにかく回数をたたくという作業」 この日行われたのは、たたきづくりのワークショップ。 左官職人を含む20人余りが参加し、土と消石灰と水が混ざる時の化学反応を利用して強度を高める、昔ながらの工法でたたきを再生します。 横川kito 白水梨恵さん 「大家さんと土間を土のままにするか、コンクリートで打つか話したが、元々の日本文化でなかなか見られないので、できれば土のまま補修する形でやりたいと話がまとまった」 左官職人 「昔ながらの風合いが出るのでいいと思う」 Q.ほとんど今はこの仕事はない? 「本当にまれです」 専用の道具を使い、みんなで無心に土をたたき締めます。 できあがった“たたき”の感触を素足で確かめてみました。 ワークショップ参加者 「めっちゃ冷たい」 「きもちいい」 「わっぜきもちいい」 「冷たーい感じ」 「ひやーっとした感じ」 完成したたたきは、冷たさを感じながらもふんわりとやさしいさわり心地だそう。 また、蒸し暑い家の外に比べて家の中はひんやりと涼しくなっていました。 ワークショップ参加者 「100年先まで残っていたらすごいなと思いながらたたいていました」 ワークショップ参加者 「伝統工法の『結い』という言葉、昔ながらのものができるということがいいなと思う」 作業の途中、軽快な音楽に参加者の手の動きがぴったり合わさったり、おなかがすいた時には餅つきを楽しんだり。 池田家住宅には、かつてにぎやかだった頃を想像させるような光景が広がっていました。 横川kito 白水梨恵さん 「120年以上の歴史があるものを守る形で、補修に近いリノベーションをしているので、昔ながらの文化も感じてもらえるのではないか。皆さんの力を借りてすてきな土間がみんなでつくれたので、(あとは)壁ができて、家財を入れる。ラストスパートに入っていく」 建物と一緒にかつての「結い」の文化も再生させようと取り組む白水さんのリノベーション。 建物はあと1カ月ほどで完成する見込みです。 建物の完成後、1カ月程度で菓子店がオープン予定です。
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