桂ざこばさん急死 76歳、持病のぜんそくで 笑って泣いて怒って…技巧を超えた人間味が「落語そのもの」のような人だった
12日、持病のぜんそくのため、76歳で死去した落語家の桂ざこばさん。「ざこば・鶴瓶らくごのご」(ABCテレビ)など、数々のテレビ番組でお茶の間に親しまれた上方落語界の重鎮の急死に悲しみが広がった。 【写真】桂ざこばさんを物語る上で欠かせない2009年9月のキス事件。桂三枝にブチュ~ 前日11日の夜も普通に食事し就寝したが、夜中にぜんそくの発作を起こして意識を失い、そのまま自宅で息を引き取ったという。4月30日に大阪市内で行われたまな弟子3人の襲名会見に出席したのが公での最後の姿となった。 歯に衣(きぬ)着せぬ物言いながらも、人情味あふれる人柄で誰からも愛されたざこばさん。中学卒業後、1963年に三代目桂米朝に弟子入りし、桂朝丸を名乗る。70年代から「テレビ三面記事 ウィークエンダー」などに出演し、88年に2代目桂ざこばを襲名。92年に上方お笑い大賞・大賞、2017年には芸術選奨文部科学大臣賞を受賞している。 バラエティー番組などで人なつっこい笑顔を見せたかと思うと、顔を真っ赤にして、キレて、さらに泣き出すなど熱い姿がお茶の間に受けた。「らくごのご」でも三題噺がうまくまとまらず、泣いてしまったこともあったほど。 長年ざこばさんを取材した演芸ジャーナリストのやまだりよこ氏は、「一番大阪らしく、上方落語になくてはならない人。脳梗塞で倒れた後も、自分のCDを何度も聞いて、自分の落語を取り戻そうとしていました」と話す。 「取り繕わず、噓がない、血が通った落語で、人間味が入りすぎていたぐらい。自身では『自分の落語はうまないと思います』とよく話していましたが、技巧を超えた、その人間味がざこば落語の面白さ。落語そのもの、のような人でした」としのんだ。 ◆桂ざこばさんが出演した主なテレビ番組◆ たかじんのそこまで言って委員会 読売テレビ 探偵!ナイトスクープ ABCテレビ テレビ三面記事 ウィークエンダー 日本テレビ バラエティー生活笑百科 NHK ざこば・鶴瓶らくごのご ABCテレビ 痛快!エブリデイ 関西テレビ 大阪ほんわかテレビ 読売テレビ ちちんぷいぷい 毎日放送